HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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埼玉県深谷に流れる綺麗な空気と昔懐かしい時間を体感してみませんか

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    都心から約70㎞。どこかで見たことがあるようなレンガ造りの立派な駅舎、「深谷」駅。
    首都圏に位置しながらも、レンガと瓦が創り出す昔懐かしい街並みと美しい自然が今でも残っています。

     

    深谷に残された美しい自然

     

    埼玉県の北部に位置する深谷は、江戸時代に中山道が整備されたことで宿場町として栄えた街です。
    市内には現代の街並みと共存するかたちで、当時の懐かしい面影が残っています。
    さらに都会ではなかなか味わえない自然も残っています。そんな深谷の街と自然に隠された魅力をご紹介します。

     

     

     

    関東百名山「鐘撞堂山」でマイナスイオンを感じながらハイキング!

    自然に囲まれた寄居駅

     

    JR熊谷駅から秩父鉄道にゆられること30分。山に囲まれた自然豊かな「寄居駅」に到着。
    寄居には12のハイキングコースがありますが、今回は円良田(つぶらた)コースを中心にご紹介します。

     

    まず、駅から20分ほど閑静な住宅街を歩いていくと、徐々に木々が増え、小鳥のさえずりや小川のせせらぎが聞こえてきます。
    普段、忙しく過ごしていると気づかない「音」に気付くことができます。

     

    住宅街をぬけると大正池

     

    住宅街をぬけると「大正池」が見えてきます。大正池を越えると、いよいよ森へ。

     

    森林浴でリラックス

     

    一歩森に足を踏み入れると、ひんやりとした空気に変わります。緑あふれる自然の景色や涼しい風、土の匂い、川の音を感じ、思わず深呼吸したくなります。ここでは、時がいつもよりゆっくりと流れているように感じますよ。

     

     

    「竹炭工房」で少し寄り道。竹のコップでコーヒーを飲むという贅沢。

    “林道と分かれ、徐々に急になっていく道を登っていくと、竹炭工房があります。
    竹炭工房の方はとても気さくな方で、突然訪れた者にも「休んでいきな」とその場で切ったばかりの竹を使った竹コップでコーヒーを入れてくださいました。

    竹コップでコーヒーを飲むという贅沢

     

    竹コップのふちを舐めてみると、驚くほど甘い!切ったばかりの竹の樹液の甘さでコーヒーに砂糖は必要ありませんでした。竹には捨てるところがなく、特に日本の竹、真竹には、器から美容液まで幅広い用途があるそうです。

     

     

    標高330mでも侮れない。様々な表情を見せてくれる山「鐘撞堂山」

    鐘撞堂山、山頂からの景色

     

    尾根伝いに歩き、最後に急な階段を上ると山頂に着きます。鐘撞堂山は、その名の通り、戦国時代に敵の襲来を対岸の鉢形城に鐘を撞いて知らせるという物見の山でした。標高は330mと低いながらもその眺めは素晴らしく、関東平野を一望することが出来ます。
    山頂では実際に鐘を撞くことができるので、ぜひ鐘の音を鳴らしてみてはいかがでしょうか。

     

    山頂からなだらかな坂道を下り、視界が開けたところが円良田湖です。湖付近では雰囲気がガラリと変わり、竹林を見ることが出来ます。

     

    京都の嵐山ような竹林

     

    様々な表情を見せてくれる山「鐘撞堂山」の魅力を未来へ残したいものですね。

     

     

    日本資本主義の父「渋沢栄一」誕生の地、近代化を支えた街「深谷」

    関東の駅百選、深谷駅

     

    JR高崎線の深谷駅はJR東京駅によく似ていて、なんと東京駅に使われた煉瓦は深谷市の日本煉瓦製造(株)で作られたものだそうです。
    日本煉瓦製造(株)の煉瓦は構造用として約800万個、東京駅の内部に使われています。

    深谷市の煉瓦は古い歴史を持ち、明治20年(1887年)に始まります。日本初の機械方式による煉瓦工場「日本煉瓦製造会社」が渋沢栄一氏によって創設されました。
    それまで日本の主要建材であった木や石に対して、重厚で堅牢な赤煉瓦は日本の近代化を象徴するものとなりました。

     

    煉瓦造りの街並み

     

    市内には中山道の宿場町の面影と共存する形で、明治から大正期に建てられた煉瓦造りの住宅や工場が数多く残っています。街を見渡してみると意外なモノに煉瓦が使われているので、ぜひ見つけてみてくださいね。

     

     

    300年もの歴史を持つ「七ツ梅酒造」跡で昭和へタイムスリップ!

    旧中山道を歩いていると「七ツ梅」の大きな看板に出会います。
    一歩、中に入ってみるとそこはまるで映画の世界。昭和へタイムスリップしたような街並みが残されています。

    レンガと木、異素材の建物の融合が素敵

     

    300年もの歴史を持つ「七ツ梅酒造」の廃業によって使われなくなっていた酒蔵がよみがえりました。今は豆腐屋、カフェ、古書店、映画館「深谷シネマ」などが集まる深谷の「憩いの場」となっています。

     

    なぜか懐かしさを感じる元酒蔵

     

    看板までよく見てみると、昭和らしいデザインをした面白いものもありますよ。ぜひお気に入りの看板を見つけてみてください。

     

    よく見ると今にはない面白い看板がたくさん

     

    趣のあるカフェでゆっくりしながら、思い出話に花を咲かしてみてはいかがでしょうか。

     

     

     

    実は、みかんと同じくらい甘い!全国的なネギのブランド「深谷ねぎ」

    深谷と言えばやはり「深谷ねぎ」は外せません。繊維のきめが細かく柔らかいことや糖度が高く甘いこと、白根の部分が長く、皮を剥くと白く美しいことなどが深谷ねぎの特徴です。
    特に糖度は10~15度前後と高く、みかんに匹敵する糖度があるそうです。独特の香りがあるねぎですが…アリシンやビタミンC、βカロテンなど体に良い成分がたくさん含まれています。

     

    それだけでなく美容にも効果があると言われています。
    ・ 肩こりや疲労の蓄積を防ぐ
    ・デトックス

    ・ダイエット
    ・しみ、そばかす予防
    ・乾燥肌の改善
    など多くの効果が期待できるようです。そんな「深谷ねぎ」はぜひ食べて帰りたいですね。

     

    深谷を支えたレンガの煙突が特徴的な建物

     

    深谷には、今回紹介しきれなかったふるさと歩道のコースであったり、歴史的建造物がたくさんあります。名所としては誠之堂や清風亭、渋沢栄一記念館でしょうか。

     

    また煉瓦造りが盛んであったこともあり土壌が豊かで、水もキレイなので、ブロッコリーやスイートコーン(味来)、深谷ねぎといった農産物や酒造業も有名です。豊かな自然とレトロな街を合わせ持つ「深谷」に流れる空気と時間を五感で感じてみませんか。