HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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斑鳩の自慢 1400年以上の歴史を誇る法隆寺 門をくぐって飛鳥へ

  • 奈良県の有名なお寺「法隆寺」の名がそのまま付いた法隆寺駅を降りると、歴史、ロマンたっぷりな斑鳩(いかるが)の町が広がっています。「太子ロマン」を求めて海外からもたくさんの方が訪れます。駅から徒歩だと20分程、バスだと5分程で着きます。おすすめは徒歩。是非景色を楽しみながら旅してみてください。まずは南大門をくぐって法隆寺へ向かいましょう。

     

    世界遺産「法隆寺」の聖なる殿堂「金堂」と木造世界最古の「五重塔」

    <写真02_alt:金堂>
    法隆寺のご本尊を安置する聖なる殿堂が金堂です。堂々としたこの建物の中には、聖徳太子のために造られた金銅釈迦三尊像()などが安置されています。また天井には、転任と鳳凰が飛び交う西域色豊かな天蓋が吊るされ、横の壁には、世界的に有名な壁画を見ることができます。是非中に入ったら壁画にも注意して見てみてください。
    <写真03_alt:五重塔>
    木造の世界最古で国宝となっている「五重塔」です。五重塔は釈尊の遺骨を安置しており、仏教寺院において最も重要な建物とされています。この一番下の内陣には、奈良時代の初めに造られた塑像群(そぞうぐん:木で芯をつくり、藁などを巻き付け、これに土をつけて像の形を作り、表面は細かい土で仕上げる年度でつくった像)があり、東面は維摩居士(ゆいまこじ)と文殊菩薩(もんじゅぼさつ)が問答、北面は釈尊が入滅、西面は釈尊遺骨(舎利)の分割、南面は弥勒菩薩(みろくぼさつ)の説法などの場面が表現されています。一人一人の表情をよく見ると泣き顔などとてもよく表現してあり面白いです。

     

    等身大の聖徳太子へ会いに 神秘的な東院伽藍の建築の真珠「夢殿」

    <写真04_alt:東院伽藍入口>
    次は東院伽藍の方に行ってみましょう。601年に造営された斑鳩宮跡に、行信僧都という高僧が、聖徳太子の遺徳を偲んで739年に建てた伽藍を上宮王院といい、その中心となるのがこの「夢殿」です。
    <写真05_alt:夢殿>
    八家計の円堂の中心の厨子には、聖徳太子等身の秘仏救世観音像()を安置しています。両腕から垂れた天衣(てんね)の一部が別の木ではありますが、その他のすべては樟の一在から彫り出しているそうです。祈る人を救うかのように、左右の天衣をなびかせて前へ進み出ようとする側面から見た姿は神々しいです。その周囲には聖観音菩薩像(平安時代)、聖徳太子の考養像(鎌倉時代)、乾漆の行信僧都像(奈良時代)、平安時代に夢殿の修理をされた道詮律師(どうせんりっし)の塑像()なども安置しています。この夢殿は中門を改造した礼堂(鎌倉時代)と廻廊に囲まれています。天平文化に創建された夢殿は、13世紀の大修理でかなり変わりはしましたが、その美しさは「建築の真珠」とたたえられているそうです。また明治のお雇い外国人教師フェノロサは、この救世観音像に「東洋美術の真」を悟ったといわれています。

     

    飛鳥時代の仏像はスラっと8頭身 仏像の時代別特徴をご紹介

    <写真06_alt:大宝蔵院>
    法隆寺の中にはこの写真の大宝蔵院の中含め、たくさんの時代の仏像があります。そして時代ごとに特徴があります。知っているとより楽しめるに違いありません。特徴を少しだけご紹介します。
    飛鳥時代は釈迦三尊像、菩薩半跏像、百済観音像など。体が薄く背中がそり気味、面長で四角いお顔、降格が上がり微笑んでいるよう、衣の柄や流れが左右対称などの特徴があります。奈良時代は薬師如来坐像など。丸顔、切れ長の釣り目、耳たぶはふっくらしている、涼しげな目などの特徴があります。:十一面観音菩薩立像など。姿勢がまっすぐ、切れ目の釣り目、耳たぶふっくら、林とした表情などのとくちょうがあります。鎌倉時代は阿弥陀如来坐像など。猫背気味、より写実的、玉眼(水晶の目)などの特徴があります。
    <写真07_alt:廻廊>
    注意してその特徴を見ていると、見ただけでどの時代のものかわかってくるかもしれません。是非お気に入りの仏像を探してみてください。
    奈良県斑鳩といえば法隆寺ですが、とても歴史深い法隆寺。知れば知るほど様々な見方ができ、一日入れるくらい楽しくなります。是非知識を得た上で訪れてみてください。歴史旅を何十倍も楽しめる はずです。仏像の細かい表情などにも是非注目してくださいね。