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出水冬の風物詩 鶴が1万羽以上舞い降りる出水で鶴と出会う旅行

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    毎年1万羽を超える鶴が冬越しのため渡来する出水。出水市は、鶴の渡来数と種類の多さともに日本一といわれ、「鹿児島県のツル及びその渡来地」として国の特別天然記念物に指定されています。
    着物の文様や家紋にも取り入れられ、歴史的にも人間と関わりの深く、長寿と吉事を象徴する鶴。出水の渡来地の魅力をお伝えします!

     

     

     

     

    出水の風物詩 国の特別天然記念物「」と「出水」の歴史

     

     

     

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    国の天然記念物とは、保護する値打ちがあるとして法律で指定した自然物、動物のことです。その中に今回訪れる出水の鶴は、「鹿児島県のツル及びその渡来地」として登録されています。

    出水市には毎年、10月中旬から12月頃にかけて1万羽を超える鶴が越冬のためシベリアから渡来し、3月頃まで滞留します。渡来する時期には多くの人が訪れ、鶴を興味深く観察する姿が見受けられます。
    なぜ出水に鶴が訪れるようになったのでしょうか。

    鶴が渡来地として選ぶ理由は、湿地帯でエサとなる雑草や虫が多いなどが挙げられます。
    かつて鶴は、出水だけではなく日本各地のエサの多い湿地や水田に飛来し、越冬をして過ごしていました。そのため、身近な存在の渡り鳥だったようです。江戸時代には鶴が食卓に並んでいたという歴史も残っています。
    近代になってからの開発や乱獲で、その数は減り、越冬地に飛来する鶴の数も減少しました。鶴の渡来数が増え始めたのは、薩摩藩が海岸の大規模な干拓を始めた1600年頃からだそうです。さらに、江戸幕府が長寿の象徴である鶴を縁起が良い鳥として保護を呼びかけ、薩摩藩もそれに倣って狩猟を禁じたため、ますます数が増えたとも伝えられています。

     

    「出水市ツル観察センター」から見る出水に訪れる鶴

     

     

    出水で鶴が見られるスポットに向かいます。国道3号荒崎入口交差点から干拓地方面へ車で5分で到着します。
    早速「出水市ツル観察センター」に到着しました。ここは、鶴たちのねぐらとなっている干拓地の前に立つ展望所です。

    センターに向かう途中にも干拓地には鶴があふれていました。鳴き声もとってもパワフルです。日中は出水平野に分散しているので、各地の休耕田や畑で観察することができます。
    毎年決まった鶴の群れが決まった田園に飛来するそう。きっと鶴達の間で取り決めが行われているのでしょうね。

    中でも一番の見どころは、毎朝6時30分~7時頃から見られる、朝焼けの中、ねぐらからエサを求めて一斉に飛び立つ姿は、思わず息をのむほど優雅で美しい圧巻の景色だそうです。
    ここ、出水市ツル観察センターでは、毎年1月1日だけ早朝開館(7:00~)しており、初日の出を背景に鶴たちが一斉に飛び立つめでたい光景を拝むことができます。

    ほかでは見ることのできない出水ならではの冬の光景ですね。

     

     

     

    出水に訪れる7種と1雑種の鶴の種類とは

     

     

     

    展望台から観察していると、種類の違う鶴たちを見ることができました。なんと出水平野では世界にいる15 種の鶴のうち今までに7種の鶴と1雑種が渡来しているようです。
    もっとも多いのはナベヅル(約9000 羽)で、世界のナベヅルの8割以上が出水平野に渡来します。次にマナヅル(約3000 羽)、世界のマナヅルの約半数が渡来します。少数ですがクロヅルやカナダヅル、雑種のナベクロヅル、年によってはソデグロヅルやアネハヅル、タンチョウが見られることもあります。

     

     

    代表的な鶴だけ特徴をご紹介します。
    ナベツルの名前の由来はその体の色にあり、鍋底についたススのように黒い色をしていることから「鍋鶴」と名付けられました。羽を広げた大きさは約180センチメートル、体重は3〜4キログラムくらい。世界の生息数は1 万1500 羽程度と推定され、8割以上が出水平野で冬を越します。

     

     

    マナヅルは「真鶴」の名前が示すとおり本当の鶴という意味で名付けられたようです。体は青みがかった灰色です。羽を広げた大きさは約210センチメートル、体重は5〜7キログラムくらい。世界の生息数は6500 羽程度と推定され、約半数が出水平野で、残りは中国南部の湿地帯や韓国などで冬を越します。

     

     
    タンチョウは、全身が白色、首と翼の先端が黒色のツルで羽を広げた大きさは約220センチメートルです。タンチョウ(丹頂)の名は、赤い頭頂部に由来しています。生息数は世界で2750 羽程度と推定され、絶滅が心配されています。
    タンチョウは日本人がイメージする鶴そのもので、日本の絵画や着物に登場する種類です。

    ぜひ沢山の種類を見つけてみてくださいね。

    薩摩藩の時代から続き受け継がれる鶴の保護の精神

     

     

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    薩摩藩の時代から続く鶴の保護の精神は現代にも紡がれています。
    飛来地田園付近の道路には白い粉が。これは石灰だそうです。鶴を鳥インフルエンザの感染から守るためにまかれているそうです。
    道路が一部低くなっている箇所がありました。これも通る車体から菌が鶴たちに運ばれては困るので、消毒液を道に貯め、通った車のタイヤを洗浄するためだそうです。
    鶴を想う出水の人々の気持ちが図れます。
    10月中旬から2月まで、あたり一面鶴に囲まれるそうです。周辺には生活をしている住民も居るため、畑に保護ネットを貼るそう。共存できるように工夫がなされています。

    驚いたのは、なんとツ鶴が北へ帰る直前には約8トンのイワシが与えられるそうです。一年後、鶴たちがまた元気にかえって来れるようにと、これから始まる長旅に向けての蓄えを提供しているのですね。

     

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    出水冬のおすすめ観光スポット、鶴の渡来地をご紹介しました。いかがでしたか。
    日本で最大の鶴の渡来地で、忘れられない思い出をぜひ作ってください。

     

     

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