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名勝指定!美しい庭園で癒される~知覧武家屋敷庭園巡りまとめ~

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    江戸の古き良き風情そのままに残る日本の宝、鹿児島県知覧(ちらん)の武家屋敷群。屋敷内には国の名勝指定されている7つの庭園があります。江戸中期、参勤交替に随行した知覧領主の島津久峯の家臣らが、京文化に接する機会が多く、庭園は京都の庭師に造らせたとも言われています。美しい庭園を巡ります。

     

     

    思わず見とれてしまう!「知覧武家屋敷庭園」とは

     

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    鹿児島空港から約1時間。JR喜入駅から車で約25分。薩摩半島の南九州市知覧群の西にある知覧町のまちなみにたどり着くと、ゆるやかに曲がる道に沿って、石垣とイヌマキの垣根が奥までつづく光景がありました。思わず何時代か分からなくなってしまうほどの古い街並みが残っている場所です。

    江戸時代、薩摩藩は領地を外城と呼ばれる102の地区に分け、地頭や領主の屋敷である御仮屋を中心に麓と呼ばれる武家集落を作り、鹿児島に武士団を結集させることなく分散して統治にあたらせました。

    武家集落の中にある、それぞれの武家屋敷の中には、豪華な庭園があります。そこには、財力や地域ならではのこだわり、思想が詰まっています。さっそく公開している個性あふれる7つの庭園をめぐってみます!

     

    別名つるかめの庭園と称される縁起のいい庭園~西郷恵一郎邸庭園~

     

     

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    最初に訪ねた庭園はつるとかめの庭園の別名がある西郷恵一郎邸庭園(さいごうけいいちろうていていえん)です。

     

     


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    立派な二重屋根の門構えをくぐると屏風岩という身長以上ある石組の壁に当たりました。知覧の特性でもある建築様式で、城郭の枡形虎口に由来するそうです。門からすぐに庭園が見通せないもどかしい感じが一層期待を膨らませました。壁に沿って庭園の方へ。

     

     


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    庭園への小さな門をくぐるとそこには美しい庭園が広がっていました。庭の南東部の隅に枯滝の石組みを設けて高い峰とし、峰から刈り込まれたイヌマキで遠くの連山を表現しています。
    つるかめと呼ばれる由縁は、高い石をつる、低く連なっている石を亀と見立て作られていることに始まります。
    長寿や吉事の象徴のつると亀がいる庭園から「長寿の庭」ともいわれています。7庭園の中で、ここ西郷恵一郎邸庭園のみが、池泉式(池を中心的な要素として組込んだ作庭)です。

     

     

    縁起も良くて、景色も美しいこの庭園はずっと眺めていたくなる魅力ある庭園でした。
    無料Wifiスポットでもあるので写真を撮ってすぐにSNSにアップできるのも嬉しいポイントです。

     

     

     


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    <03-1知覧の西郷恵一郎邸庭園>

     

    所在地 : 897-0302 鹿児島県南九州市知覧町郡

     

     

     

    調和と表現に優れた庭園と評される優雅な庭園~平山克己邸庭園~

     

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    続いて、どこを切り取っても絵になると噂の平山克己邸庭園(ひらやまかつみていていえん)へ向かいます。

     

     


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    曲がりくねった庭園までの道を抜けます。いったいどんな庭園でしょうか。

     

     

     

     


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    現れたのは、波状にきれいに刈り揃えられたイヌマキの生垣を山に見立て、遠くに見える母ヶ岳を借景にした枯山水の庭園です。

    広い庭園の中にいくつもの写真スポットがありました。どこをとっても切り取っても表現と調和にすぎれていると評価されています。
    見る人によって庭園のイマジネーションが広がります。

    私は大海原に浮かぶいくつかの孤島と、海に囲まれた島のお城をイメージしました。
    大人も子供も楽しめる、発想力広がる庭園でした。

     


    <08-1知覧の平山克己邸庭園>

     

     

     

    所在地 : 897-0302 鹿児島県南九州市知覧町郡6190

     

     

     

    サツキとイヌマキが美しく雄大な連山を想像させる~平山亮一邸庭園~

     

     

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    次に訪ねた3つ目の庭園は、知覧武家屋敷庭園いちシンプルな庭園と呼ばれる平山亮一邸庭園(ひらやまりょういち)です。

     

     

     

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    庭園までの道のりは今まで訪れた邸宅で一番長く広く、きちんと整えられているような気がしました。

     

     


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    たどり着いた小さな門をくぐると、そこには美しい生垣がある庭園が広がっていました。石組みの一つもないイヌマキの大刈込みとサツキの大刈込みのみで作られた庭園です。

     

    イヌマキによる延久たる波型の刈り込みで高い三つの峯を見せています。借景と一体となった絶景と賞賛されています。

     

     

    <12-1知覧の平山亮一邸庭園>

     

     

     

    庭園の後ろに見える母ヶ岳とも調和して、とても広々としたすがすがしい気持ちになれます。サツキの満開になる5月ごろに訪れてみると、また景色に色がついてさらに美しいでしょう。

     

     

     

     

    知覧庭園の中で最も豪華で広い庭園と評される~佐多美船邸庭園~

     

     

     

     

     

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    4つ目に訪ねたのは、訪れた人に広さと力強さを感じさせる佐多美船邸庭園(さたにむねていていえん)です。

     

     

     


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    ここもまた曲がりくねった庭園までの道を期待を無くらませながら通ります。

     

     

     

     

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    小さな門を抜けると、見どころがたくさん詰まった、豪華な庭園が広がっていました。知覧武家屋敷で最も広く豪華な庭園です。

    上部には枯滝、中部には石灯、下部の平地には巨石による石組みをたくさん使用して表現しています。庭園はとても広く、青空にも映え美しく、ここにいて庭園を眺めるだけで、自分も格式の高い人になったようなすがすがしい気持ちになりました。

     

    江戸時代の武士たちは毎日この庭園を眺めることができたのかと思うと羨ましく思います。

     

     

     

    所在地 : 897-0302 鹿児島県南九州市知覧町郡6163

     

     

     

    見方はあなたの想像力にお任せ!不思議な庭園~佐多民子邸庭園~

     

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    続いて訪れたのは、巨岩が様々な形をしていて想像力が働く庭園、佐多民子邸庭園(さたたみこていていえん)です。
    今までになかった、石垣で固められ、少し坂になっている道を歩いていきます。
    現代のコンクリート打ちっぱなしデザインのような、モダンなデザインに思えました。

     

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    小さな門をくぐると、様々な面白い岩が特徴的な庭園が広がっていました。
    巨石奇岩を弓重ねて、深山幽谷の景色を表しています。
    変わった形の岩だけでなく、植木の配置も今までにない形でした。

    パンフレットには石橋の上の仙人が手招きをしているように見えると記載されていました。
    私は様々な子供が遊んだあとの色とりどりのパズルのピースが散らばっている絵を想像しました。

     

     

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    小さな門の前に薩摩焼の鉢に梅の木が植えられているのも発見しました。
    一風変わった美しさの有る庭園でした。

     

     

    四季折々の景色が楽しめる水墨画のような庭園~佐多直忠邸庭園~

     

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    次に訪れたのは、巨大な立石と枯滝の石組みが一幅の水墨画そのままに表していると評される庭園、佐多直忠邸庭園(さたなおただていていえん)です。

     

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    石垣でできた庭園までの道を歩いていくと、そこには緑で作られたとてもかわいい庭園に続く入り口がありました。
    まるでグリム童話の世界に出てきそうなかわいらしいもんでした。
    庭園のかわいい入口は松の木でできており、その植木の技術の高さがうかがえます。

     

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    そんな小さな入り口をくぐると、立派な植木と巨大な立石がある庭園が広がっていました。
    生垣は遠山の形をとり、母ヶ岳を借景にした枯山水の庭園で、3.5mもの立石と枯滝の組み合わせが水墨画さながらの趣を表現していると評されています。

    植木は四季折々の植物が植えられており、その中でも特に梅の咲くころは息をのむほど美しいとされます。
    今でさえこれほど美しい庭園は、きっと梅の咲くころはきっと一生記憶に残る絶景が広がっている事でしょう。

     

     

    庭園の裏の湧水を利用した知覧唯一の池泉式庭園~森重堅邸庭園~

     

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    いよいよ絶景庭園巡り最後に訪れたのは、知覧武家屋敷唯一の美しい池で有名の森重堅邸庭園(もりしげみつていていえん)です。

     

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    門をくぐるとまず初めに見えてきたのは、大きな蔵でした。
    この蔵の屋根はなんと紐で括りつけられるように設置されており、家事などの際に屋根を取り外し被害を最小限にする仕組みがとられていました。
    先人たちの知恵と、家を守ろうという頼もしさが垣間見えます。

     

     
    長い道を歩いていくと庭園に繋がる小さな門がありました。

     

     

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    門をくぐるとそこには美しい池泉式庭園が広がっていました。
    曲線が美しい池には、奇石や怪石を組み合わせて近景の山や半島を表し、対岸には穴石を用いて洞窟を表現しています。
    湧水からできた池は青々と生えた苔と美しく調和し、深い緑色に輝いていました。

    所在地 :鹿児島県南九州市知覧町郡

     

     

    今もなお変わらない美しさで人々を魅了する知覧武家屋敷7つの名勝指定庭園巡りはいかがでした。
    一つ一つの庭園ごとに特徴があり、当時腕を振るった京の庭師や武士たちのこだわりが伝わってきます。
    季節を通して庭園の見せる表情なども違うので、ぜひあなたの好きな季節に大切な人と一緒に訪れてみてください。