HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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ガリ版の地でありながら大凧の地でもある東近江の文化に触れてみませんか?

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    滋賀県東近江市。広大な土地を持つ東近江市には多くの発明や古くからの文化が数多く存在します。
    その中でも明治期の一大発明といわれた「ガリ版」や、日本でも有数の大凧でもある東近江大凧もそのうちの一つです。
    実際に足を運びそれらの文化に触れてみてはいかかでしょうか。

     

     

     

    東近江市ガリ版伝承館 展示物を見ながらガリ版を知る 当時の印刷大発明

     

     

     

    ガリ版伝承館はJR「琵琶湖線「近江八幡駅」からバスに乗り約25分ほどのところにあります。
    近くには近江鉄道も走っているので朝日野駅から徒歩約20分ほどでいくことも可能です。

     

     

     

    〈01_higashiomi:田園風景〉

     


    ガリ版伝承館に行くまでの道には田んぼが広がっており、景色も素晴らしいです。

     

     

     


    〈02_higashiomi:ガリ版伝承館外観〉

     

     

     

     


    ガリ版伝承館の建物自体が歴史を感じれるような造りになっており非常に面白いです。
    そもそもガリ版とは複写ができる便利な印刷機であり、正式名称は謄写版です。 ガリ版の名前の由来としては原紙を切る作業中に生じる音の「ガリガリ」が来たといわれています。

     

     

     

    〈03_higashiomi:ガリ版機材〉

     

     


    中に入るとガリ版に関する機材などが多く展示されています。

     

     

     

    〈04_higashiomi:ガリ版印刷物〉

     

     


    1950年~1980年にはテレビなどの台本や楽譜などに使用され「ガリ版文化」として流行しました。

     

     

     

    〈05_higashiomi:インク〉

     

     


    これはガリ版に使われるインクとなっています。 これらのように昔の印刷技術として使われたガリ版に関するものが多く残されており、タイムスリップをしたような感覚になるのではないでしょうか。

     

     

     


    所在地 : 滋賀県東近江市蒲生岡本町663

     

     

     

    「一日も故郷を忘れるなかれ」東近江市に関わりある堀井親子が残した言葉の意味とは

     

     

     

    そもそもガリ版は1894年に堀井親子が発明し発売されたものです。

     

     

     


    〈06_higashiomi:堀井像〉

     

     

     

    堀井親子の父は堀井新治郎、息子は堀井耕造です。

     

     

     

    〈07_higashiomi:最古の簡易印刷機〉

     

     


    これは堀井新治郎の考案によるヤスリと鉄筆を使った日本最古の簡易印刷機です。

     

     

     


    〈08_higashiomi:謄写版〉

     

     

     


    次にこちらは日本で最初に特許を受けた謄写版原紙です。

     

     

     


    〈09_higashiomi:ガリ版ローラー〉

     

     

     


    簡単で便利な印刷機を発明して、人々の時間を節約し、文化・産業の発展に大きく貢献し、緑綬褒章を受賞した元紀は社訓を定めています。
    その一説が「一日も故郷を忘るることなかれ」です。
    その言葉通り、堀井親子は郷里の学校や役所にたびたび寄付をしていたといいます。

     

     

     


    〈10_higashiomi:作業場〉

     

     

     


    ガリ版伝承館には当時ガリ版で印刷された印刷物も多く展示されているので、どこか懐かしい気持ちにもなれます。
    ガリ版伝承館にきてガリ版だけでなく、堀井親子の生き方にも注目してはいかかでしょうか。

     

     

     

    東近江の大凧の大きさと歴史 江戸時代から東近江市で続いてきたその伝統とは

     

     

     

    東近江市は大凧でも有名です。

     

     

     

     


    〈11_higashiomi:大凧会館外観〉

     

     

     


    その大凧について多くの展示物があるのが世界凧博物館八日市大凧会館です。

     

     

     


    〈12_higashiomi:八日市駅外観〉

     

     

     


    近江鉄道八日市駅から徒歩約15分ほどのところにあります。実際に中を見ていきましょう。

     

     

     

    〈13_higashiomi:世界中の凧〉

     


    中は東近江の凧だけでなく世界中の凧も展示されています。
    それでは歴史を見ていきましょう。
    東近江市の中には八日市と呼ばれる地域があります。名前の由来としては一つの市と七つの町が集まったからだとされています。
    凧あげの歴史としては江戸時代から続いており、男の子の出産祝いで凧を挙げていたのが起源とされています。

     

     

     

     


    〈14_higashiomi:凧の説明〉

     

     

     

     


    ではなぜ東近江の凧は、東近江大凧と呼ばれるまで大きくなったのでしょうか。
    一つ目の理由としては土地です。東近江は琵琶湖から吹く強い風があり、また沖野ガ原と呼ばれる広い土地があります。
    二つ目の理由としては近江人の競争心と技術の高さです。これらの理由により凧は次第に大きくなっていきました。
    現在では毎年5月の終わりに市が主催となって大凧をあげています。(ここ数年は一時休止しています。)
    また成人式においても凧を祝いものとして毎年揚げられています。

     

     

     

     


    〈15_higashiomi:大凧〉

     

     

     


    凧は大きいものになると約200畳にものぼり、これは20m×20mほどの大きさだそうです。

     

     

     

    東近江市の大凧の特徴と隠された秘密 ただの絵柄と文字だけじゃない

     

     

     

    〈16_higashiomi:大凧〉

     

     


    東近江市の大凧の特徴としては、凧に穴が開いていることです。
    この穴は風邪を抜くための穴で風の抵抗を調節しています。
    またこの大きな凧、どのように運ぶのでしょうか。

     

     

     


    〈17_higashiomi:折りたたまれた大凧〉

     

     

     


    実は大凧は竹、和紙、糸からできているのですが、丸めることができるのです。
    そのため海外でも呼ばれた際にあげたことがあるのだそうです。
    また大凧を見る際に注目してほしいポイントがあります。それは模様です。

     

     

     


    〈18_higashiomi:3つの凧〉

     

     

     


    基本的に大凧には上部に動物の絵が描かれ、下部に文字が書かれています。
    実はこれには意味があります。
    例えば中央の上部に2匹の猿、下には「来」の漢字。
    実は「良縁(りょうえん)きたる」という意味になっています。
    凧を見る際には注目してみてください。

     

     

     


    〈19_higashiomi:体験コーナー〉

     

     

     


    中では実際に凧を作ることができるのでぜひやってみてはいかがでしょうか。

     

     

     


    〈20_higashiomi:映像ルーム〉

     

     

     


    また映像でも(「凧の歴史について」等追記しましょう)楽しむことができるのでお勧めです。

     

     

     

    所在地 : 滋賀県東近江市八日市東本町3-5
    公式URL: 世界凧博物館八日市大凧会館

     

     

     

    今回紹介したように、東近江市では当時の印刷技術を支えた大発明や、世界にも呼ばれる大凧の文化などが多く存在します。
    これらの文化や伝統を直接その目で見て、実際に体感してみてください。その発明や作成の背景にある歴史までもが見えてくるのではないでしょうか。