天空の聖地・高野山を抱く
弘法大師 空海によって開かれた高野山を有する高野町は、まさに町全体が歴史遺産。
1200年前の信仰が当時の姿のまま息づく山上の聖地で、日常を忘れ、心を解き放ってみませんか。
01まち ~高野山~
01まち ~高野山~
悠久の時間が流れる町で魂まで癒される
真言密教の聖地・高野山を中心とする和歌山県北東部の町。弘法大師は密教の道場を開くのにふさわしい場として、紀伊山地の雄大な自然に囲まれたこの地を選びました。京都、大阪から電車で約2時間、関空から約2時間30分。カトリックの聖人生誕の地として知られるイタリア・アッシジ市と、「高地にある聖地」という点が似ていることから、姉妹都市として交流を深めています。
02世界遺産 ~紀伊山地の霊場と参詣道~
02世界遺産 ~紀伊山地の霊場と参詣道~
1200年の歴史を知る、見る、感じる
2004年、熊野・吉野大峯と共に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録された高野山。「紀伊山地は神社・寺院建築のたぐいまれな形式の創造の素地となり、それらは日本の紀伊山地以外の寺院・神社建築に重要な影響を与えた」「紀伊山地の遺跡と森林景観は、過去1200年以上にわたる聖山の持続的で並外れて記録に残されている伝統を反映している」として評価されています。
03偉人 ~弘法大師~
03偉人 ~弘法大師~
社会事業家・芸術家の顔を持つ真言宗の開祖
弘法大師・空海は、平安時代初期の僧。遣唐使の留学僧として唐に渡り、わずか2年で真言宗の元となる教えの全てを修得。日本に帰った後は、真言宗の教えを広め、修行の場として高野山を開きました。また、民衆のために池の修築を行ったり、身分の差なく学べる学校を設立するなど、社会事業家の顔も持ち、書の道でも非凡な才能を発揮するなど、芸術家としても大きな足跡を残しています。
04一山境内地 ~金剛峯寺~
04一山境内地 ~金剛峯寺~
高野山の中心で至高の美に触れる
「金剛峯寺(こんごうぶじ)」は高野山の中心的寺院。古くは金剛峯寺=高野山全体を指していましたが、明治以降、豊臣秀吉が母のために建立した「青巖寺(せいがんじ)」と、「興山寺(こうがんじ)」を合併し、寺院名として「金剛峯寺」と呼ぶようになりました。2004年、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録。国内最大級の石庭や狩野派の襖絵など見ごたえたっぷりの日本の美が堪能できます。
05信仰の道 ~高野山石道~
05信仰の道 ~高野山石道~
180の道しるべで高野山の歴史をたどる
弘法大師が高野山を開いた際に、木製の卒塔婆(そとば)を建て、道標とした表参道。弘法大師はこの道を使って、月に9度、母のもとに通ったと言われ、真田幸村の幽閉地として名高い「九度山」の由来となりました。2004年、世界遺産の一部として登録。沿道に慈尊院、丹生都比売神社など多くの史跡が並び、歴史に想いをはせながら自然を楽しめる散策コースとして人気を博しています。
06食文化 ~精進料理~
06食文化 ~精進料理~
五法・五味・五色にこだわる至福の味
高野山の精進料理は、寺院の振る舞い料理が発展したもので、五法(調理方法)、五味(味付け)、五色(色彩)を大切にした料理です。肉・魚を一切使わず、野菜・山菜・木の実・海藻など、四季折々の旬を採り入れ、手間ひまかけて、素材の美味しさを最大限に引き出します。見た目にも鮮やかな膳は、隅々まで「おもてなしの心」が行き届き、豊かな味わいで心と身体が満たされます。
07郷土料理 ~胡麻豆腐~
07郷土料理 ~胡麻豆腐~
料理も修行 手間ひまかけた風味豊かな逸品
修行僧の貴重な栄養源として重宝されてきた胡麻豆腐。ゴマの皮を剥き中の芯の部分をなめらかになるまで念入りにすりつぶすという、たいへん時間と手間のかかる一品です。自然の恵みを大切に、心を込めて料理することも僧たちの重要な修行のひとつでした。明治創業の老舗、濱田屋ではご参詣の方への感謝の気持ちを込めて、般若心経1巻とお大師様の御宝号3遍を、製造工程で唱えています。
08修行体験 ~写経・阿字観・授戒~
08修行体験 ~写経・阿字観・授戒~
ゆったり自分を見つめ直して心のデトックス
高野山では、様々な修行体験も充実。一字一字願いを込めながら経典を写す「写経」を始め、「阿字観(あじかん)」と呼ばれる瞑想法や、”十箇条の戒め”を授かる「授戒(じゅかい)」、寺院に宿泊して修行体験をしながら精進料理も楽しめる「宿坊」など、手軽に高野山の伝統に触れることができます。日常を離れた修行体験で自分を見つめ直し、ゆったり心が浄化される感覚を味わってみましょう。
09体験 〜夜の高野山散策〜
09体験 〜夜の高野山散策〜
星空の下 聖地の祈りで心安らぐひとときを
弘法大師・空海が入定した前夜にあたる毎月20日は、日中ではなく夜間に高野山を散策できます。その名は「心の癒し・お逮夜(たいや)ナイトウォーク」(参加無料)。提灯を手に、奥の院・一の橋表参道入り口から奥の院・御廟まで、約2キロの表参道を散策。御廟では僧と参加者が、共に般若心経などを読経します。聖地の澄んだ空気の中で、祈りを捧げ、僧の法話に耳を傾けるひと時は、心静かな安らぎを与えてくれます。