ウィスキーの父 竹鶴生誕の地
温暖な気候と内海の穏やかさが印象的な製塩町。
保存良好な江戸の建築が数多く残る小京都で味わい尽くす美酒に、身も心も満たされます。
01まち ~竹原~
01まち ~竹原~
小京都の名にふさわしい 情緒ある町並み
京都下鴨神社の荘園地として開墾された歴史から「安芸の小京都」と呼ばれる広島県・竹原市。古くから瀬戸内の交通の要塞として知られ、江戸時代後期からは製塩・酒造業で栄えました。広島空港から南へ約20キロとほど近く、羽田空港から1時間50分、新大阪からは新幹線を利用して2時間10分。ゆったりと街を散策すれば、整然とした街並みの美しさに思わず目を奪われます。
02歴史 ~竹原~
02歴史 ~竹原~
製塩業がもたらした富で花開いた町人文化
土壌に塩分が多く、耕作には不適だった竹原の地。赤穂から製塩の技術者を招いて塩田に転換すると、ほどなく産出に成功しました。江戸時代に入ると製塩業はもちろん、廻船や酒造でも繁栄。この地にもたらされた富が、町人文化を開花させました。製塩町に残る建造物の多くが、江戸時代中期から明治時代に建てられた町家。趣ある町並みが、かつての栄華を今に伝えています。
03重伝建 ~竹原~
03重伝建 ~竹原~
350年前にタイムスリップして散策
歴史的風致を保存するため、市町村から定められる伝統的建造物群保存地区。その中から特に価値が高いものを、国が重要伝統的建造物群保存地区として選定します。瀬戸内海から山麓へと続く変化のある地形に、130余棟の歴史的建造物残る竹原も1982年(昭和57年)に選定されました。本瓦葺・塗屋造の町家や、数寄屋造の座敷と庭園をもつ屋敷。江戸時代にタイムスリップしたような町並みです。
04伝統工芸 ~竹原格子~
04伝統工芸 ~竹原格子~
多彩なデザインの木格子は もはや芸術
竹原の町屋には「竹原格子」という独特の格子が使われています。一階部分は出窓のような形の出格子が、中二階には塗り壁の中に格子が埋め込まれた虫籠窓や武者窓のある土蔵造りが多く見られます。古い時代の格子ほど太く、江戸後期になると隙間が狭く繊細な意匠へ。デザインから、つくられた時代に思いを馳せるのも一興。飴色に変わった木の質感が、時の重みを感じさせます。
05史跡 ~普明閣~
05史跡 ~普明閣~
瀬戸内海まで視界が広がる絶景ポイント
緑豊かな山腹に、西方寺、普明閣、照蓮寺が並ぶ竹原の景観。本町通りを東側に入ると、西方寺の本堂へと続く石階段が現れます。西方寺横の高台には、ひときわ目を引く寺社建築が。京都の清水寺を模した方三間宝形造、本瓦葺の二重屋根、舞台作りで1758年に建立された普明閣です。心地よい風に吹かれながら町が一望でき、町のどこにいても目に入る竹原のシンボル的建築です。
06偉人 ~竹鶴政孝~
06偉人 ~竹鶴政孝~
国産ウイスキーの父 竹鶴政孝生誕の地
19世紀にアメリカからウイスキーが伝わって以来、日本には模造品しかなく、国産品はありませんでした。単身スコットランドに渡り、その醸造を一から学んだのが竹鶴政孝。NHK連続テレビ小説「マッサン」のモデルにもなった人物です。のちにニッカウヰスキー創業者となった竹鶴の口癖は「わしゃ三級は作らん」。生涯をウイスキーづくりに捧げた竹鶴は、竹原が生んだ英雄なのです。
07名産 ~竹鶴酒造~
07名産 ~竹鶴酒造~
創業1733年 竹原最古の酒蔵 竹鶴
「小笹屋」の屋号で知られる竹鶴酒造。黒漆喰で本瓦の葺かれた入母屋妻入り3棟が連続する土蔵造りの建物は、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝の生家でもあります。酒名の由来は、蔵の裏にある竹やぶに鶴が飛来し巣を作ったことから。以来、銘柄・姓として用いられ、竹原を代表する銘酒へと育っていきました。どんな料理にも合う食中酒として人気を博しています。
08名産 ~藤井酒造~
08名産 ~藤井酒造~
清水に恵まれ 酒づくりの伝統を守る
今も地下水を水道水として使用しているほど、清冽な水に恵まれた竹原。酒造に適したこの地の三銘酒は『竹鶴』、『誠鏡』、『龍勢』です。龍勢を醸造する藤井酒造は創業150余年の純米蔵。江戸末期に建てられた酒蔵の一部を開放し、無料の試飲会も。軟水仕込みの特性を活かしたまろやかな口当たりが特長で、麹と米の味わいを堪能しながら、さらりといただける日本酒です。
09大久野島 ~野生ウサギ~
09大久野島 ~野生ウサギ~
地図から消された島 周囲4キロの小島
竹原市内の東に位置する忠海港。船に乗ること15分で大久野島へ到着です。戦時中に毒ガス工場があったことから、かつては「地図から消された島」でした。現在は国立公園に指定され、資料館や温泉、宿泊施設が整備されています。また、約700羽もの野生ウサギが棲息することでも知られており、島の至るところに可愛らしい姿が。国内外から多くの観光客が癒しを求めて訪れています。