県指定文化財と宿場町の面影が残る レトロな埼玉県桶川の町並みをお散歩
都心から約40㎞。宿場町当時の面影が残る町ー「桶川」。
桶川は「人々の繋がり」が強く、今でもしっかりと歴史が紡がれています。
埼玉県の中央に位置する桶川は、江戸時時代は中山道の宿場町として栄えました。特に紅花の集散地として栄え、紅花から作った染料は「桶川臙脂(おけがわえんじ)」の名で有名となりました。紅花を中心に上質なものが集まる桶川。他にはどのような魅力的なモノが隠されているのかご紹介します。
この記事の目次
まずは中山道宿場館へ!地元の人が知る桶川のおすすめスポットとは
桶川に到着したら一番最初に訪れたい場所、中山道宿場館。中山道宿場館は、市内の散策コースや文化財などの案内はもちろん、中山道に関する情報の入手や休憩などにも利用できる場所です。
優しいスタッフの方が様々なことを教えてくれます。
江戸時代末期には三十六軒の旅籠があったとされています。
宿場当時の旅籠の姿を今にとどめる貴重な建物が「武村旅館」です。当時の間取りは現在もほとんどそのまま引き継がれています。
小林家住宅(旧旅籠)主屋は、江戸時代末期頃に宿屋として建てられた建造物です。
その後の当主となった小林家は木材商を営み、それに伴い大きく改修されましたが、外観は当時の姿をとどめています。
桶川の中山道沿いには国登録有形文化財や県指定文化財、市指定文化財に認定された歴史的建造物が点在しています。
宿場町の面影が残る、レトロな雰囲気を体感してみてはいかがでしょうか。
桶川の歴史がつまった稲荷神社にある市指定文化財認定、日本一の力石
市指定文化財に認定された紅花商人寄進の石灯籠と日本一の力石が残る稲荷神社。桶川稲荷神社には「大盤石」と記された力石があります。
大盤石(だいばんじゃく)とは力石の中でも特別に大きい石のことを指します。
日本では鍛錬や娯楽として、江戸時代から明治時代まで力石を用いた力試しが盛んに行われていました。
特に江戸時代では、祭りや見せ物に力自慢の人が大いにその特技をもって大衆にもてはやされ、
やがて「力石」を持ち上げる事が興業とされる様になりました。
日本一の力石は江戸一番の力持ちと評判の力士、「三ノ宮卯之助」が持ち上げたと伝えられています。
卯之助の怪力ぶりに、集まっていた観衆の驚きや拍手喝采が今にも聞こえてきそうですね。
大正時代から続く、素材にこだわった菓子づくりの店、「おき川」
中山道に面し、趣のある店構え「おき川」。桶川で1915年(大正4年)初代、森 喜作氏により創業された歴史ある菓子処。
先代は当時としては珍しく、「パン屋さん」だったそうです。店名の由来は今はなき「興川」小学校で、誰にでも読めるように「おき川」という店名となっています。
「おき川」が一番の人気商品!味は小倉あん、抹茶あん、こしあんの3種類。
おき川は明治神宮に奉納、献上された銘菓でもあり、4年に1回全国各地で開かれるお菓子の博覧会である全国菓子博覧会において、1984年に総裁賞を受賞しました。時代に合った味と素材にこだわる「おき川」へぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
「中山道もの」と言われた桶川自慢の良質の麦を味わってみましょう!
かつては「中山道もの」といわれた良質の麦の集散地として栄えた桶川。
その名残があるのか、現在でも中山道沿いには何軒ものうどん屋さんが残っています。今回はその中でも地元の人たちにも人気のお店、「手打ちうどん いしづか」さんをご紹介します。
店内は和の雰囲気で落ちついています。
太くて長い、コシのあるうどんで食べ応えがあります。
誰もが大好きな味、「かしわ天ぶっかけうどん」。カリッと揚がったかしわ天やわかめ、大根おろしがコシのあるうどんと相性抜群です。
牛肉がゴロゴロ入っていて嬉しい、「牛肉汁うどん」。たくさんの牛肉が入っており、甘辛い濃いめのつゆとうどんが絡んで美味しいです。他にも美味しいそうなメニューがたくさんありました。中山道を歩き疲れたら、「うどん」でもいかがですか?
いざ、加納天満宮へ!田園風景を見ながら「天神道の道しるべ」を辿る
「天神道の道しるべ」は、1849年8月に建てられました。正面には「天神道」、右側面には「天神十一丁十一間」(約1200m)の
文字とその方向を指し示すレリーフが刻まれており、加納天満宮への道のりを教えてくれます。
加納天満宮まではほのぼのとした田園風景が広がっています。
季節によっては、野菜や果物も見ることが出来るでしょう。
30分程歩くと、いよいよ加納天満宮に到着です。
加納天満宮の縁起は1450年まで遡り、地域の人々から多くの信仰を集めていました。
江戸時代には、諸病に効く薬湯が有名で参詣者が絶えなかったと言われています。
現在では、学問の神様として多くの受験生を見守っています。ゆっくりと田園風景をたどり、加納天満宮へ参詣してみてはいかがでしょうか。
明治後期の古民家を今に残す、みんなのふるさと「べに花ふるさと館」
べに花ふるさと館は明治後期に建てられた民家を改築した文化施設です。
昔からの桶川の在村地主民家を象徴する造りとなっています。
桶川市が「地域文化創造の場」として位置づけ、整備をしました。
べに花ふるさと館の入口付近にはお茶の木が植えられています。桶川市ゆかりの人物、辻村みちよさんをご存知ですか?
辻村みちよさんは「お茶博士」で、緑茶に多量のビタミンCが含まれていることと、緑茶中のカテキンを世界で初めて発見しました。
このように普段、何気なく飲んでいる緑茶には素晴らしい逸話があります。
べに花ふるさと館に一歩足を踏み入れると、田舎に帰ってきたような気分になります。昔話にも花が咲くことでしょう。
また桶川は紅花や麦、菓子、古民家など歴史があるものを大切に残すだけではなく、それらを時代に合ったものに変化させようとする人々のパワーがある場所です。
そんな桶川の人々の「こだわり」を堪能してみませんか。
今回ご紹介したもの以外にも、桶川には昔から大切にされている文化財がたくさんあります。
その一つが、県指定文化財に認定された光照寺の「コウヤマキ」です。
樹齢が約500年にもなる大木で、実際に見ると「生きる力」を感じることが出来ます。
また桶川は紅花や麦、菓子、古民家など歴史があるものを大切に残すだけではなく、
それらを時代に合ったものに変化させようとする人々のパワーがある場所です。そんな桶川の人々の「こだわり」を堪能してみませんか。