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奈良桜井に行ったら外せない観光スポット「談山神社」の見どころ

  • 「関西のえびす」とも呼ばれ、JR東海のCMで一躍有名になった奈良桜井にある談山神社。
    境内には多くの木々が生い茂り、歴史ある建築だけではなく四季を感じられる空間です。
    今回はそんな談山神社の魅力を余すことなくお届けします。

     

     

    中臣鎌足を祭神とする談山神社の歴史とは談山神社

     

     

    談山神社は、桜井市の多武峰(とうのみね)にある神社で、中臣鎌足を祭神として祀っています。なぜここに祀られているのかというと、多武峰で中大兄皇子と「大化改新」の談合を行ったからだとされています。後にこの山を「談い山」「談所ヶ森」と呼び、談山神社の社号の起こりとなりました。
    蘇我蝦夷と入鹿親子の勢力はその当時誰もかないませんでした。そのため国の政治をほしいままにし、まさに独壇場。 中臣鎌子(後の藤原鎌足)は、国家の正しいあり方を考えていました。鎌足は真の日本国を発想し、日本国が世界に誇る国家となるため、一生涯を国政に尽くしたのです。 669年10月、鎌足の病が重いことを知った天智天皇は、みずから病床を見舞い、 大織冠(たいしょくかん)を授けて内大臣に任じ、藤原の姓を賜りました。 藤原の姓はここから始まったのです。

    幕末もそうですが、いつの時代も国家のためにと誠意を尽くす人がいたからこそ日本は強く発展してきたのだと、感じました。

     

    日光東照宮のお手本! 談山神社本殿の建築美とは

     

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    日光東照宮の手本となったとされる談山神社の本殿。
    現在ある本殿は1850年に建て替えられたもので、三間社隅木入春日造となっています。
    鮮やかな色使いがまず目に入りますが、近くで見ると趣向を凝らした細やかな装飾に引き付けられますね。


    本殿には歴史を変えた「大化の改新」で有名な中臣鎌足が祀られています。
    中臣鎌足は蘇我氏中心の政治を行っていた蘇我蝦夷と入鹿に疑問を抱き、真の政治、国家とは何かを考えていました。
    そして645年に現在の飛鳥寺で行われた蹴鞠会(けまりえ)で中大兄皇子と出会い、多武峰で談合を開きます。
    その後見事に大化の改新を成し遂げ、国政に尽力した鎌足。
    鎌足の没後、その子定慧上人と不比等が墓をこの地に移し十三重塔を建て、701年にはもとの本殿が創建されたそうです。


    境内には桜や楓の木が多く、春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪化粧と季節ごとの美しさも魅力。
    とくに紅葉の時期にはライトアップも行われるため、多くの人々が足を運びます。
    本殿の造りや装飾を見た後は、心落ち着かせ境内の自然を感じながら当時に思いを馳せてみては。

     

     

    世界でここだけしか見られない木造建築! 談山神社十三重塔

     

    談山神社で本殿と並んで、ひと際目を引く建築物が十三重塔です。◯重塔といえば、東寺や興福寺が有名な五重塔を思い浮かべる方が多いかと思います。
    そのイメージをはるかに超える十三層を持ち、高さ約17mを誇る十三重塔。現存しているのは1532年に再建されたものですが、世界唯一の木造十三重塔となっています。見事な檜皮葺(ひわだぶき)が連なり、塔に引き込まれるような感覚になりました。
    近くには、中大兄皇子、中臣鎌足が蹴鞠を通して出会ったことにちなみ「けまりの庭」があります。
    ここで春と秋の年二回「けまり祭り」が催され、当時の装束をまとってけまりが行われます。
    当時の優雅な宮廷貴族の生活を垣間見ることのできる貴重な機会です。

     

    そして談山神社の建築物だけではなく、ぜひ神廟拝所(しんびょうはいしょ)や拝殿で社宝をご覧ください。

     

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    神廟拝所では、鎌足公御神像や多武峰縁起絵巻(とうのみねえんぎえまき)などを見ることができます。多武縁起絵巻は大化の改新の様子が描かれている絵巻で、歴史の教科書などでなじみのある方もいらっしゃるかと思います。拝殿は年に2、3回展示物の入れ替えをしているそうなので、訪れるたびにさまざまな宝物を見ることができるのも談山神社の魅力の一つですよ。

     

    御破裂山展望台からの絶景 ~道のりには隠れスポットが~

     

     

    談山

     

     

     

    もっと景色を楽しみたいという方には、談山神社から御破裂山まで歩いて行かれるのがオススメです。
    途中に「談山(かたらいやま)」という場所があります。
    談山は談山神社の裏山にあたり、中大兄皇子と藤原鎌足が大化の改新の策を練っていた場所です。
    きっと緊迫した雰囲気の中で行われていたことでしょう。
    頂上には鎌足の墓所がありました。
    そっと手を合わせて日本の歴史を変えた偉人 鎌足を思います。

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    そして墓の北側にある展望台からは桜井市の「大和さくらい100選」に選ばれた素晴らしい景色を眺めることが出来ます。
    密談を終えた中大兄皇子と鎌足はこの景色を見たのでしょうか。
    そんなことを考えながら、時を忘れて壮大な大和盆地を望みました。

     

    わざわざ足を延ばしてでも行きたくなる談山神社の魅力、存分に感じていただけましたか。
    誰もが知る歴史の一ページの裏舞台や世界で唯一の十三重の塔、本当に古都ならではの奥深い魅力が詰まっている奈良。
    ぜひ次の旅の目的地にしてみては。