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奈良県宇陀市の特産吉野本葛を求めて「茶房 葛味庵」を訪ねる

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    奈良県宇陀市の特産である吉野本葛。
    そんな宇陀で吉野本葛の老舗 森野吉野葛本舗の直営店「茶房 葛味庵」を訪ねました。できたての吉野本葛を味わい、その魅力に迫ります。

     

     

     

    昔ながらの方法で精製され続けるこだわりの吉野葛を知る

     

     

    「葛」とは、秋の七草の一つ、マメ科のツル性植物で、その花の美しさから古来より多くの人々に愛され、歌人たちに歌われてきました。実は日本各地に生息しており身近な植物でもあります。

    吉野葛、吉野本葛と呼ばれる理由は、奈良県の吉野地方とその近辺で精製された葛にのみ「吉野」と冠し、「吉野特産」や「吉野名産」と表示することができます。
    吉野葛の歴史は古く、室町時代から葛の製造が行われていたとされています。吉野大峰山で修行する山伏たちが広めたとされています。山伏たちが、修行の際、自給自足の糧として葛の根を掘りその葛根を精製した澱粉を、日本各地から来た修験者や参拝者たちによって各地に持ち帰られ、吉野葛が全国に知られるきっかけになりました。

    室町時代から愛される吉野葛は、今も昔ながらの製法で良質な葛粉が作られ続けています。吉野葛が作られる過程は安易ではありません。吉野葛は雑菌の繁殖を抑えられる極寒期に精製されます。
    葛の根に含まれる澱粉を、紀伊山地から降りてくる地下水のみで約1か月間かけて繰り返し精製。2か月間かけて乾燥させます。
    各過程でゆっくりと時間をかけることで、昔ながらの風味の葛粉ができあがります。
    なんと葛の根1kgからわずか100gしか取れない貴重な吉野葛だそうです。さっそく貴重な吉野葛を味わえるお店を訪れてみましょう。

     

     

     

    宇陀名物 吉野本葛のできたてを味わうなら「葛の館」茶房葛味庵へ

     

     

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    森野吉野葛本舗の「葛の館」に訪れました。
    森野吉野本葛は冬季に地下水で精製を繰り返す「吉野晒し(よしのざらし)」製法で作られた、添加物0の自然食品です。その工程を行うのに大宇陀は絶好の場所でした。宇陀は冬には大変厳しい寒さとなり、地下には純度の高い水が流れていることから、衛生管理の手間が抑えられ安定した高品質の葛粉を生産できるのです。併設されている西山工場では、いまも従来の手法で吉野本葛が作られています。

    「葛の館」には葛をいただける茶房 葛味庵があります。葛味庵は、約450年の歴史があり、注文を受けてから作っていただけるので、できたての吉野本葛を食べられるのが魅力です。さっそくいただきましょう!

     

     

     


    メニュー

     

     

     
    葛を使った葛もち、葛切り、葛湯をはじめとした、さまざまなメニューがあります。
    時期によっては季節ものも出るそうです。

     
    今回は定番メニューである「葛切り」と「葛もち」をいただきました。
    葛きりは弾力があって、口当たりがとてもなめらか。葛の館特製の黒蜜もくどくない甘さであっさりとしています。
    葛もちは氷水で冷やされた状態で深煎りの特製きな粉と運ばれてきました。口に入れるとまだ温かく、きな粉のほどよい甘さにとろけるような口どけがたまりません。最後の方に食べる葛もちはよく冷えてしっかりとしたコシも楽しめますよ。

     

     

     

    意外と知らない 宇陀名物 吉野本葛と吉野葛の違い

     
    葛味庵のお隣にある吉野葛売店では吉野本葛や葛を使った商品が販売されています。吉野本葛を存分に味わった後にお土産に買って帰りましょう。お土産を買う際に吉野葛と吉野本葛どちらを購入するか迷う方も多いと思います。
    そこで吉野本葛と吉野葛の違いを説明します!

    吉野本葛は吉野晒し製法の葛粉を100%使用している葛のこと、一方で吉野葛は吉野晒し製法の葛粉を50%以上と甘藷でん粉が混ざっている葛です。葛粉は粒子が細かく、なめらかさと透明感を持っていることから、葛粉100%の吉野本葛は繊細な和菓子や日本料理といったジャンルで使われることが多くなっています。

    吉野本葛と吉野葛、購入されるときにはどんな料理に使うのかを考えるといいですね。

     

     

     



    食べれば食べるほど、知れば知るほど、吉野本葛に魅了されます。家で葛粉を買って作っても、茶房 葛味庵で味わう味とはかけ離れたものでした。
    奈良県宇陀市を訪れた際には、ぜひ老舗のできたてをお楽しみください。