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京都最古の五重塔が残る世界遺産 京都「醍醐寺」の三宝院を楽しむ

  • 1994年12月に世界文化遺産に登録された京都府伏見区にある「醍醐寺」。

     

     

    京都府下で最古の木造建築物である「五重塔」で有名でしょう。

     

     

    今回は醍醐寺をもっと楽しむために、国宝や重要文化財の宝庫であり、秀吉自らが設計をした庭園のある「三宝院」について詳しくご紹介。

     

     

     

    国宝の五重塔や貴重な寺宝が現存する世界文化遺産 京都「醍醐寺」

     

     

    地下鉄東西線の醍醐駅から歩くこと約10分。

     

     

    色とりどりののぼりが見えてきます。

     

     

    <写真01_alt:醍醐寺周辺>

     

     

    その道沿いを進むと、立派な醍醐寺の総門が現れます。

     

     

    <写真02_alt:醍醐寺総門>

     

     

    醍醐寺は真言宗醍醐派の総本山で、山上の上醍醐と山下の下醍醐から成る壮大なお寺です。

     

     

    さらに下醍醐は、五重塔や金堂がある伽藍(がらん)エリア、秀吉によって整備された三宝院エリア、仏像や絵画が展示されている霊宝館エリアの3つに分かれます。

     

     

    下醍醐は3エリア共通の拝観券なので、ぜひ3エリアすべて回ってみてください。

     

     

    伽藍エリアには、かの有名な「五重塔」があります。

     

     

    醍醐天皇の菩提を弔うために朱雀天皇が起工し天暦5年(951年)に完成した京都府下最古の木造建築で、国宝に指定されています。

     

     

    <写真03_alt:五重塔>

     

     

    まずはその大きさと貫禄ある姿に圧倒されました。

     

     

    近寄ってよく見てみると、木造建築ならではの木目の渋みや色の褪せ具合からその長い歴史をずっしりと感じ取ることができます。

     

     

    霊宝館エリアでは、貴重な寺宝を多く公開しています。

     

     

    <写真04_alt:霊宝館>

     

     

    上醍醐薬師堂の薬師三尊像(国宝)や、「五大力さん」として親しまれる上醍醐五大堂の五大明王像()が安置されています。

     

     

    その他醍醐寺の祈りと文化を示す多くの絵画や文書が展示されています。

     

     

    さて、それでは最後の三宝院エリアについて詳しくご紹介します。

     

     

     

    京都・醍醐寺の「三宝院」は国宝の表書院をはじめ重要文化財の宝庫

     

     

    三宝院もまた、国宝や重要文化財の宝庫です。

     

     

    <写真05_alt:三宝院中庭>

     

     

    立派な松がある中庭を抜けて大玄関から三宝院に入ると、まず葵の間、秋草の間、勅使の間(重要文化財)と表書院(国宝)を見学できます。

     

     

    庭園に面している表書院は、平安時代の寝殿造りの様式を取り入れ、下段・中段・上段があるユニークな造りをしています。

     

     

    また、表書院の襖絵(重要文化財)は、上段の間の襖絵は四季の柳、中段の間の襖絵は山野の風景を描いており、下段の間の襖絵は石田幽汀の作で、孔雀と蘇鉄が描かれています。

     

     

    これらは撮影禁止なので言葉でしかお伝えできませんが、少しくすんだ金色の襖絵は豪奢で優美な空気感を生んでいました。

     

     

    当時はここで庭を見ながら句を詠んだり、能楽を愉しんだりしていたのかなと想像できます。

     

     

    そして、表書院の正面に広がる庭園を見てみましょう。

     

     

    <写真06_alt:三宝院庭園>

     

     

    そこには広大な日本庭園が広がっており、その細部には様々な意味が込められています。

     

     

    それらを紹介する前に、庭園の右側に見える唐門(国宝)をご紹介します。

     

     

    <写真07_alt:唐門>

     

     

    2010年に1年半という時間をかけて修復され、当時の輝きを取り戻しました。

     

     

    中二つは豊臣秀吉の家紋である「五七の桐」、外側は「菊の御紋」があしらわれています。

     

     

    その黄金の輝きが桃山時代の気風を感じさせます。

     

     

     

    京都伏見で「醍醐の花見」を契機に臣秀吉自らが設計した庭園の面白さ

     

    国の特別史跡・特別名勝に指定されているこの庭園は、豊臣秀吉が「醍醐の花見」をきっかけとして自ら設計したものです。

     

     

    ちなみに京都にある国宝級の庭園は、金閣寺、銀閣寺と、ここ三宝院だけだそうですよ。

     

     

    それではこの庭園に秀吉が込めた意味をご紹介します。

     

     

    まず一つ目は、庭園左奥にある大きな石と左右の小さな石です。

     

     

    <写真08_alt:庭園3つの石>

     

     

    これは倉敷の「藤戸石」で、これらは阿弥陀三尊に見立てられているそうです。

     

     

    この石を持っている者は天下が取れると言い伝えられ、信長から受け継がれたものだと言われています。

     

     

    また池の向こう側にこの石を置くことで、表書院側を「この世」、藤戸石側を「あの世」を表現しているそうです。

     

     

    次にこの手前側の波模様の砂利は鴨川に見立てており、手前の石は炭化した木の石で、鴨川の淀みを表現しています。

     

     

    <写真09_alt:庭園鴨川>

     

     

    さらに、この2本の松は五葉松ですが、左の松は樹齢六百年以上といわれる天下の名木で、亀の「静寂」を表しており、亀の甲羅のように見えるので亀島と呼ばれます。

     

     

    一方右側は、向かって左側の石橋が鶴の首にあたり、今にも鶴が飛び立とうとしている「躍動感」を表しているので、鶴島と呼ばれます。

     

     

    <写真10_alt:亀島鶴島>

     

     

    このように、何も知らずに見ているだけだと気付かない石の配置の意味や見立てがたくさんありました。

     

     

    庭園の設計もひとつのアートなんですね。

     

     

    三宝院を訪れると、当時の文化を肌で感じることができます。

     

     

    気品高く優美な造りや襖絵、古き良き日本の趣向が見て取れる庭園を眺めて、世界遺産「醍醐寺」の世界により深く浸ってみてくださいね。

     

     

     

    いかがでしたか?

     

     

    世界遺産の醍醐寺を訪れる際には五重塔だけでなく、ぜひ三宝院もお楽しみください。

     

     

    国宝や重要文化財の美しさや漂う当時の気風を味わうとともに、秀吉がすこし身近に感じられるかもしれませんね。

     

     

    ■所在地
    [醍醐寺]京都市伏見区醍醐東大路町22