HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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古来最北の国 陸奥の国・みちのくで最北としての歴史をめぐる旅

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    古来、宮城県を含む東北地方は陸奥国と呼ばれ、当時日本の最北に位置する国でした。

    特に宮城県の仙台市は陸奥国の国府も置かれ、みちのくの政治の中心として栄えてきました。

    現在に残る、最北の国・陸奥の片鱗を感じる旅に出てみましょう!

     

     

     

    日本最北の地仙台に位置する国分寺!重要文化財の陸奥国分寺薬師堂へ

     

     

     

    まず最初に訪れるのは、仙台駅から地下鉄東西線で約10分のところにある、陸奥国分寺薬師堂です。

    最寄駅である薬師堂駅からは歩いてすぐ。

    駅を出てまっすぐ歩いて5分もかからないところにそれはありました。

     

     

     

    <写真01_sendai 薬師堂駅>

     

     

     

     

    国分寺とは奈良時代にあたる741年に聖武天皇が全国に建立を命じた寺のことで、仙台にあるこの陸奥国分寺は全国で最北に位置する国分寺にあたります。

     

     

     

     

    <写真02_sendai 薬師堂入口>

     

     

     

     

    室町時代ごろに一度は著しく衰退した、陸奥国分寺を仙台藩主であった伊達政宗が再興し、現代までその建物が残されてきました。

    今では薬師堂は国の重要文化財に指定され、仙台最古の木造建築の一つになっているそうです。

     

     

     

     

    <写真03_sendai 薬師堂正面>

     

     

     

    敷地内に足を踏み入れると、広い敷地が広がり静かな時間が流れていました。

    入口の門をくぐった瞬間に空気が変わり、その静かさはまるで国分寺が見守ってきた歴史を物語っているように感じました。

     

     

     

     

    04_sendai

     

     

     

     

    薬師堂は敷地の奥に位置していますが、その建物は存在感があります。

    古さも感じる建物ですが、それがまた長い歴史を感じ取れるように思えました。

    現在に残る当時の建物は薬師堂のみですが、ほかの建物があったその跡地には写真のような看板がそれぞれ立ててあります。

     

     

     

     

    <写真05_sendai 跡地の看板>

     

     

    当時の国分寺を伺い知ることができます。

     

    所在地 : 宮城県仙台市若林区木ノ下2-8-28

    http://www.0894.com/

     

     

     

    仙台で蝦夷討伐の時から歴史を見守る重要文化財の神社・大崎八幡宮へ

     

     

     

    仙台駅から15分から20分ごとに出ている、市内観光バスである「るーぷる仙台」に乗って約45分。

    12番のバス停で降りるとすぐ目の前にあるのが、次に訪れる大崎八幡宮です。

     

     

    06_sendai_バスの看板

     

     

     

     

    昔、東北の地では蝦夷とそれを討伐する者の戦いが繰り広げられました。

    その際に、蝦夷討伐のために京の都から東北の地に足を踏み入れたのが、征夷大将軍・坂上田村麻呂です。

    この大崎八幡宮は、その坂上田村麻呂が平安時代に蝦夷討伐に際して鎮守府八幡宮を創祀したのが始まりだと言われています。

    その後、伊達政宗によって現在の地に再建され、現在は長床が国の重要文化財に、石鳥居が県の重要文化財に指定されています。

     

     

     

     

    <写真07_sendai 八幡宮鳥居>

     

     

     

     

    バス停を降りる少し歩くと階段が。

     

     

     

     

    <写真08_sendai 八幡宮階段>

     

     

     

     

    その階段を登りきると、迎える鳥居と杉並木の赤と緑のコントラストには息をのまれます。

     

     

     

     

     

    <写真09_sendai 鳥居と木>

     

     

     

     

    鳥居をくぐった先を歩けば、神社ならではの凛としていて静かな空気が感じられます。

    その空気は参拝に訪れた私たちを歓迎しているようにも感じられました。

     

     

     

     

    <写真10_sendai 参道>

     

     

     

     

    参道の先にある社殿も黒漆塗に鮮やかな色や彫金具で彩られ見るものを圧倒します。

     

     

     

     

    <写真11_sendai 社殿正面>

     

     

     

     

    12_sendai

     

     

     

    社殿に使われている特徴的な色は、とても目を引き付けられました。

    社務所に置かれていた青のだるまもかわいらしく参拝者を出迎えてくれるのでぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

     

     

     

    <写真13_sendai 青ダルマ>

     

     

     

     

    所在地 : 宮城県仙台市青葉区八幡4-6-1

    http://www.oosaki-hachiman.or.jp/

     

     

     

    松島の海に浮かぶ伝説の残る島・格子の橋を渡ってたずねる五大堂

     

     

     

     

    最後に仙台から仙石線に乗ること約40分。

    仙台市から離れて松島へ足を運んでみましょう。

     

     

     

     

    <写真14_sendai  松島海岸駅看板>

     

     

     

     

    松島と言えば、歌に詠まれてきたことで有名ですが、ここでも最北の国の片鱗を感じることができます。

    松島海岸駅から歩くこと約15分、五大堂が見えてきます。

     

     

     

     

    <写真15_sendai 五大堂看板>

     

     

     

     

    五大堂は807年に、坂上田村麻呂が東征の際に毘沙門堂(びしゃもんどう)を建立したのがはじまりだと言われています。

    その際に五大明王像を設置したことから、五大堂と呼ばれるようになりました。

     

     

     

     

    <写真16_sendai 五大堂正面>

     

     

     

     

    坂上田村麻呂が祀った毘沙門天はある夜に光を発して小島に飛び去り、その小島は毘沙門島と呼ばれるようになったという伝説もあるようです。

    五大堂へ行くには朱色の橋を渡っていかなければならないのですが、その橋がなんと格子状になっています!

     

     

     

     

    <写真17_sendai 橋>

     

     

     

     

    18_sendai_松島

     

     

     

     

    足場の板が太いので怖さはあまりありませんが、高所恐怖症の方は足元はあまり見ないほうがいいかもしれません。

    その昔は2本の縦板がなく、はしご状だったようで怖くて渡れない人もいたそうです。

    堂の前からは、海に浮かぶほかの島々のきれいな景色を眺めることもできます。

    小さい島にある五大堂ですが、本堂である毘沙門堂はもちろん、特徴的な橋やきれいな景色も楽しめて見どころがたくさんありました。

    中でも橋は写真だけでは伝えきれないものもあるので、ぜひ一度体感していただきたいです。

    一度足を運んで見てはいかかでしょうか。

     

     

     

     

    所在地 : 宮城県宮城郡松島町松島字町内111

    http://www.zuiganji.or.jp/keidai/godaidou.html

     

     

     

    今回は、最北の国・陸奥に焦点を当てたスポットをめぐる旅でしたがいかかがしたでしょうか。

    北海道が日本ではなかったころ、当時の人々にとっての陸奥はどんなところだったのか。

    それに思いを馳せてめぐってみてはいかかでしょうか。