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城下町から満島山にそびえ立つ唐津城へ!欠かせない旅のお土産とともにご紹介

  • 佐賀県・唐津市の満島山(みつしまやま)とよばれる陸続きの島ににそびえ立つ~唐津城~は全国でも珍しい海岸沿いの名城です。
    城下町を散策しながら、唐津城の遺構と舞鶴公園から見れる美しい景観を楽しむことができる名所!
    伝統工芸・唐津焼のお店も紹介します。

     

    城下町から唐津の歴史を体感!海岸に建てられた美しい唐津城を目指して

    <写真01_標識>
    唐津駅より徒歩約25分の「唐津城」(からつじょう)を訪れました。
    唐津城に向かって歩いていると、自然と二ノ丸と三ノ丸を辿ることとなり、当時の石垣や堀など、かつて城下町だった唐津市内の至るところでお城の歴史を体感することができます。
    <写真02_石垣>
    別名を「舞鶴城」(まいづるじょう)とも呼ばれる唐津城は、豊臣秀吉の家臣であった寺沢志摩守広高によって7年の歳月を経て、1608年に完成しました。
    唐津城の北側は、唐津湾に面した立地となっていて、海岸沿いに建つお城は国内でも珍しいものです。
    歴史旅で他にも様々な城跡を辿ってきましたが、海を眺められる立地にあるお城は初めてでワクワクしました!
    <写真03_天守>
    お城を中心に、東の浜と西の浜を翼に見立てたことから舞鶴城と呼ばれるようになり、遠くから眺める舞鶴城は周囲の借景と合わさり、美しく映えていました。
    その後、様々な歴史を重ね、1871年の廃藩置県によって一度歴史の幕を閉じた唐津城ですが、現在は天守台跡に模擬天守が建てられています。
    唐津市内でお城の遺構を体感しながら、石垣の道を辿って唐津城を目指すルートもおすすめです!

     

     

     

    舞鶴城と呼ばれ愛されたお城~唐津城~からその景観を堪能しよう!

    それではもう少し、唐津城の歴史を紐解いてみましょう!
    秀吉の家臣として、関ヶ原の戦いで大きな功績を残し、12万3千石の領土をこの地に得た寺沢志摩守広高。
    九州の諸大名の力を借りて作られた唐津城は、様々な説がありますがもとは天守はなく、天守台までがつくられていたそうです。
    <写真04_石段>
    正面登り口から石段を昇ると、櫓門へとつづいています。
    見事な景観のこの地に、腰を据えた寺沢志摩守広高ですが、天草も納めていたその息子・堅高の時代に島原天草の乱が起ります。
    その責任として天草の4万石を没収された堅高は、その後自害し寺沢氏は断絶することとなります。
    <写真05_石段から>
    寺沢氏以降は、代々譜代の大久保・松平・土井・水野・小笠原と次々と唐津城へ入城しました。
    目まぐるしく歴代藩主が変わっていった唐津藩ですが、今でも唐津市の人々によってその歴史が後世へと語り継がれています。

     

    <写真06_天守>
    <写真07_舞鶴公園からの景色>
    本丸跡は現在、舞鶴公園となっており、そこからは虹の松原を望む景観、一面に玄海灘の雄大さを感じることができました。
    この美しい地を戦いの報酬として得た寺沢志摩守広高は、きっと力強く未来に大志を抱いていたのではないでしょうか。
    4月は桜、5月初旬頃には美しい藤の花を楽しむこともできるのも、唐津城の魅力です!

     

    唐津城 所在地:佐賀県唐津市東城内8-1

     

     

     

    日本を代表する伝統工芸・唐津焼の魅力を紹介 歴史旅のお土産にぜひ

    <写真08 _店内>
    最後に、唐津城への登り口すぐにある唐津焼・佐志山窯(サシヤマカマ)のお店を訪れました。
    ここでは、佐志山窯で焼かれた作品の直売がされています。
    唐津焼が焼かれるようになったのは所説ありますが、今から約400年以上も前まで遡ります。
    <写真09 _唐津焼>
    もともと室町時代末から桃山時代にかけて、雑陶を中心に焼かれ始め、朝鮮の役以降に朝鮮陶工によって伝えられたため、唐津焼には今でもなお李氏朝鮮から伝わった伝統的な技法が根付いています。
    それまでの日本では、手でまわすロクロが使われていましたが、朝鮮陶工によって「蹴ロクロ」や「登り窯」が新しく伝わり、日本の焼き物づくりに大きな変化をもたらしました。
    当時、西日本では焼き物のことを「からつもの」と呼ばれたほどで、唐津焼は日本を代表する伝統工芸へと発展していきます。

     

    <写真10 _お茶道具>
    <写真11 _雑器>
    質の高い茶器はもちろんのこと、日常的に使える雑器も豊富にあります。
    柄は、松やツユクサが多く描かれます。
    唐津焼には様々な表現方法がありますが、どれも素朴ながら風合いが豊かで、長く愛用できるものばかりです。
    湯のみなどは少しぶ厚めのつくりで、熱いものを注いだときも器が熱くならず、口当たりの良い飲み口になるように工夫がされています。
    時代のニーズにあわせて、雑器だけでなく、近年になってコーヒーカップなどもつくりはじめたそうで、お話を伺えば伺うほど、使う人のことを一番に考えた焼き物として唐津焼が多くの人々に親しまれていることが伝わってきました。

     

    佐志山窯 直売所:佐賀県唐津市東城内10-9
    唐津市のシンボルともいえる唐津城の魅力は体感していただけましたでしょうか。
    唐津城城下町に今もなお数多くの歴史的名所があり、町人も唐津の歴史を愛する方が多くいらっしゃいます。
    是非、唐津の町人とのコミュニケーションも楽しみながら充実の歴史旅と素敵なお土産を見つけてください!