1000年の時を越えて愛される 大宰府天満宮「天神さま」とは?
福岡県にある、天満宮の総本社、太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)は学問の神様が祀られていることで有名です。
今回はそんな太宰府天満宮の楼門を抜けた先から、本殿まで、大宰府の歴史と共に見どころを紹介します。
この記事の目次
日本最大級の手水鉢でお清めの後は築400年の御本殿を目指して
西鉄電車の大宰府駅を下車すると、目の前に太宰府天満宮の参道が広がります。そこから徒歩約10分で太宰府天満宮の御本殿正面に到着します。
神社仏閣を訪れた際に必ず行うのがお清めですが、こちらも実は見どころの一つです。
手水舎の手水鉢は御影石の一枚岩で作られており、その大きさは日本最大級!なんと約4×6メートルもあるのだそうです。
透き通った水を湛えた巨大な手水鉢の中をよくよく見ると、これまた大きな亀が刻まれているのがわかります。
これだけ大きな手水鉢なら、一度にたくさんの参拝客の方々がお清めできます。
お清めののち、いよいよ楼門をくぐってすぐ目に飛び込んでくるのが御本殿です。
本殿は参拝客で溢れています。
大きな赤い提灯も鮮やかな楼門は撮影スポットでもありとても美しいのですが、その先の御本殿はそれにも増して堂々とした佇まいで、思わず息をのむほどです。
905年、道真公の御墓所に祠廟(しびょう)が建てられ、その後造営された御社殿は兵火などにより焼失してしまいましたが、五年の歳月をかけて再建されたのが現在の御本殿で、1591年に竣工されたと言われています。
その姿は築400年以上を経た現在でも桃山時代の華麗な様式を現在に伝え、国の重要文化財に指定されています。
欄間などにも細かな彫刻が施されているので、近くでよく見てみると面白いですよ。
一夜にして京から大宰府へ!?語り伝えられる御神木の「飛梅」とは
京都御所では紫宸殿の両側に左近の桜、右近の橘がありますが、太宰府天満宮本殿の左近の桜にあたる場所にあるのが御神木の「飛梅」(とびうめ)です。
天満宮の敷地内には約6,000本もの梅の木があり、日本有数の梅の名所とされていますが、この飛梅はその中でも最も有名な梅と言っても過言ではないでしょう。
東風吹かば にほひをこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ
(都からの東風が吹いたならば、梅の香を私の元まで届けておくれ。主である私がいなくなったからといって春に咲くことを忘れてはいけないよ。)
道真公が大宰府に左遷された際に詠んだとされるこの歌は、地元の方なら小さな子供でも知るほど有名な和歌です。
この歌にあるように、梅の花をこよなく愛したとされる道真公のお人柄を慕って、都から一夜にして飛んできたと言い伝えられているがこの飛梅です。
毎年梅の時期には白く美しい花をつけ、芳しい香りを放って訪れる人々の心をはるか平安の時代へと誘います。
また梅が実をつける六月にはこの実を集める「飛梅ちぎり神事」が行われ、ご神前に奉納された実は「飛梅御守」として奉製されるということです。
梅はこの地にとって特別な花なんですね。
学業御守はもう買った?ここでしか手に入らない貴重な御守もあります
寺社仏閣に参拝する際に、忘れてはならないのが御守(おまもり)です。
お守りを選ぶのも楽しみの一つ、という方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
太宰府天満宮は学業成就の神様を祀る神社というイメージが強いのですが、実は様々な種類の御守が揃えられており一見の価値ありです。
梅の形を模したかわいらしいデザインのものから、境内で育った梅の種に道真公の御姿を彫ったもの、天満宮に縁の深い鳥であるウソの形をした御守など、なかなか普通の神社ではお目にかかれないような変わったものも多くついつい目移りしてしまいます。
相手を思う気持ちも一緒に添えてお渡しできるのが御守の良いところ。大切な方の幸せを願って御守を選んでみてはいかがでしょうか。
また、余談ですがウソは銅像やお守りに限らず、お土産品としても人気です。
パワーアイテムの一つとして、おひとついかがでしょうか。
珍しい厄除けに厄晴れひょうたんとは?数多くの末社参拝も忘れずに
立派な御本殿で無事参拝を済ませ、ここで引き返される方も多いようですが、御本殿の裏手に進んだところにもまだまだ見どころがあります。
まずは「厄晴れひょうたん」です。
ここには絵馬と一緒にたくさんのひょうたんが納められています。
かの豊臣秀吉が旗印にしたことでも有名なひょうたんには、古来より邪気を封じ込めるなど不思議な力が宿ると言われていました。
ここにあるひょうたんはすべて、厄除祈願をされた方が無事厄が晴れた後にお礼参りをして納められたものです。
そのため「厄晴れひょうたん」というのだそうです。
ひょうたんがたくさん下がっている様子が珍しいだけでなく、こんなにもたくさんの厄が払われたのかと思うと不思議な気持ちになります。
その他にも筆塚や包丁塚、夫婦樟に末社などもたくさんあるので折角ならくまなく見てみたいものです。
またその先を進むと今度は赤い鳥居が立ち並ぶ坂道が現れ、登っていくと開運の神様として知られる天開稲荷(てんかいいなり)を参拝することができます。
天開稲荷は京都の伏見稲荷からの御分霊が祀られており、鎌倉末期からある由緒ある神社なのだとか。少し険しい山道になりますが、参拝してみる価値はあるかもしれません。
太宰府天満宮 所在地 : 福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号
福岡・大宰府にある太宰府天満宮は本殿を参拝して帰るだけでは勿体ないほど魅力的溢れる場所でした。
近隣には九州国立博物館やえんむすびの神様として知られる竈門神社などもあり、すべて見て回ると一日では足りないほどです。
是非ゆっくりと、大宰府の歴史の息吹に触れてみてはいかがでしょうか。