HISTRIP(ヒストリップ)|歴史的建造物に泊まろう

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広島で食の歴史を学びながら郷土料理と広島のお酒を堪能するグルメ旅

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    その土地に根付いた食や地酒の歴史を学びながら味わうというのも旅の醍醐味ではないでしょうか。広島の方が特別な時に家族と食べられるという牡蠣や、結婚式で鏡開きをすることもあるというぐらい市民に親しまれてる広島の酒、また広島風と言われるまでに地域に根付く広島風お好み焼きを楽しみます。

     

     

     

    全国有数の酒どころ 甘美な味わいの広島のお酒を楽しむ

     

     

     

    広島電鉄「八丁堀」で下車し、商店街を抜け歩くこと約5分。『大和屋酒舗』に到着しました。
    大和屋酒舗さんで、担当の方から広島の酒の歴史について伺いました。

     

    広島県というのは海もあれば山もあり、瀬戸内の温暖な気候の地域もあれば冬にはスキー場がオープンする地域もあるぐらい、県内でも気温差が激しく、それぞれの土地柄をいかした酒造が行われてきました。

     

     


    ひとえにいえるのは、広島の水が軟水だということです。古くより、軟水はお酒には不向きとされており、広島の酒蔵も切ろうしてきました。そんな折、広島の酒造界に革新をもたらしたのが三浦仙三郎さん。彼が軟水醸造法という技術を編みだし、広島の酒造りに貢献しました。

     

     

     

    その結果、広島の酒は明治・大正期に注目され、全国に広まったそうです。

     

     

    現在広島の日本酒製造量は、兵庫や京都、東北勢などについで全国第9位です。かつては全国第3位という時代もあったそうです。

     

     

    お酒には長い歴史があり、いろんな方の想いが詰まったものなんだなと感じました。軟水のため口当たりが柔らかいのが特徴と言われ、地域の方をはじめ愛されています。広島に旅行された際にはぜひ一度ご賞味ください。
    大和屋酒舗は日本全国のお酒を扱っています。

    元々は酒造もしていましたが、戦争で機器が無くなり、酒屋に転向されています。広島には多数の酒蔵が存在しますが、原爆で機械など設備を失ってしまったところも多いそうです。

     

     

     

     

     

     

    大和屋酒舗は、もともと酒蔵であったがためにほかの酒蔵さんともつながりが深く、それを生かして広島の酒蔵さんと共同でプライベートブランド商品を開発されたりしています。また、広島のお酒をより知ってもらうためのきっかけとして、「たしなみバー」といったイベントも開催されています。

     

     

    店内を見て回るだけでも楽しいお店を目指していると話してくださった大和屋酒舗。酒造者さんの写真を貼っていたり、お酒にあうおつまみが並んでいたり、広島カープのリーグ優勝記念のお酒やグッズも並んでおり、立ち寄るだけでも楽しめると思います。

     

     

    私もお土産にちょうどいい少し小さめのお酒を二本購入して帰りました。どちらも飲みやすく、少し甘めに感じました。広島以外の場所ではなかなか手に入らない広島のお酒、お土産に購入して帰られてはいかがでしょうか。

     

     

     

    67年間続く老舗料理屋で広島の郷土料理『牡蠣』を頂きませんか?

    大和屋酒舗さんから歩いて約7分。
    次にやってきたのは『釜飯・広島郷土料理 酔心本店』です。ここでは、牡蠣を堪能したいと思います。
    広島では、縄文時代の遺跡の後から、牡蠣の貝殻が多く出土しており、古くから天然の牡蠣が食されてきた歴史が残ります。その後、室町時代の終わり頃に初めてかきの養殖が始まりました。
    栄養満点の牡蠣ですから、当時から多く食されたのですね。

     

     


    さっそくそんな古くから広島の人々に愛される牡蠣をいただきましょう!

    酔心は、創業当初から広島の郷土料理、広島の食材に拘り続けている老舗料理屋です。
    広島の郷土料理と言えば、牡蠣。数あるメニューの中から、今回私は「牡蠣比べ定食 あなご釜飯」(2890円)を注文しました。定食メニューには釜飯がつき、牡蠣釜飯やあなご釜飯に変更可能です。

     

    「牡蠣比べ定食」では、「かにみそ焼き牡蠣、ガーリックバター焼き牡蠣、カキフライ」の三種類の牡蠣を堪能することができます。

     

     

     

    一粒一粒が大きく、また、冷めないよう熱石に乗せられ出てくるため最後まで温かく、非常においしかったです。

     

     

     

     

     

    名物あなご釜飯も、新鮮だからこそたれをあまりつけず、あなごの味そのものを満喫できるよう提供されていて、ほくほくして美味しかったです。市民の方は、少し特別な日等家族が揃った日にみんなで食べに来られることが多いそうです。老舗の郷土料理に舌鼓する旅、おすすめです。
    酔心さんは個室の予約は可能ですが、定食料理は予約不可なので注意してください。

    所在地:広島県広島市中区立町6−7

     

     

    食べないと広島旅は終われない!原爆被害が産んだ美味しいお好み焼き

     

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    最後に訪れたのは、お好み村。お好み村は1963年に、新天地広場に並ぶお好み焼きの屋台が1箇所に集まったビルです。2.3.4階に店舗が入っており、24店舗ものお店が並びます。

    今回は、2階にある創業48年。屋台の時代から続く老舗「新ちゃん」でお好み焼きをいただきました。
    昔から変わらないボリュームと、とろろ昆布やよく蒸したキャベツ・もやしが入っているのが特徴の「新ちゃん」。

     

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    いただいたメニューは、新ちゃんスペシャル(1026円)、かなりボリュームがありましたが、最後まで非常においしくいただけます。もちもちの生地とサクサクなキャベツが絶妙に調和した食感が、ソースの甘みとともに口の中に広がります。
    このほかにも様々なメニューがありました。

    いまでは名物となっている広島風お好み焼き。広島風のお好み焼きができた背景をご存知でしょうか。そこには原爆からの広島の復興とともにできあがった歴史があります。
    多くのお好み焼きが並ぶ広島の市街地。ぜひお気に入りの1店を見つけてみてください。

    所在地 :広島県広島市中区新天地5-13

     

     

    いかがでしたか。地酒や郷土料理はその土地の文化。歴史も深くとても面白いですね。ただ美味しいだけでなく、特徴や歴史を知ったうえで行くとまた一味変わった楽しみ方ができます!
    広島だからこそ味わえる、広島市民に親しまれているグルメを堪能する旅に出かけましょう。

     

     

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