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ラジウム温泉で有名な三朝温泉へ。その効能と泉質の秘密も!

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    全国的に有名なラジウム温泉の三朝温泉。
    今回はラジウム温泉の発祥地や三朝温泉の名所を巡りながら、三朝温泉のはじまりや効能、泉質を学びます。
    「身体にいい」の秘密を解き明かしましょう。

     

    マリ・キュリーなしにはあり得なかったラジウム温泉

     

     

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    三朝温泉街にある「キュリー広場」。
    マリ・キュリーが化学者の才能を開花させた国、フランスのエトワール広場を模して造られました。

     

    広場にはマリ・キュリーの胸像も設置されています。
    「キュリー夫人」の愛称で知られている、化学者マリ・キュリー。
    なぜ三朝温泉街にキュリー広場やキュリー夫人の胸像があるのでしょうか。
    それはキュリー夫人と夫・ピエール・キュリーの発見した「ラジウム」にありました。

     

     

    ラジウムは分解されると、ラドンという弱い放射線が生じます。
    ラドンを身体に浴びると、放射線が細胞を刺激して、新陳代謝や免疫力が上がります。
    そんな健康促進に効果のあるラドンを多く含むのが、「ラジウム温泉」です。
    三朝温泉は1916年にラジウム含有量が世界一であると発表され、一躍温泉地として名を馳せることとなりました。

     

     

    このように三朝温泉の繁栄にラジウムは欠かせないことから、キュリー夫妻の偉業を称えて広場が設けられ、胸像が置かれています。
    また毎年8月頃には、キュリー夫妻の遺徳をしのぶ「キュリー祭り」が開催されます。
    約1週間の間、毎日花火が打ち上げられたり、広場ではダンスや和太鼓など多彩なイベントが目白しです。

     

     

    三朝温泉を訪れた際には、キュリー広場でフランスの雰囲気を味わい、キュリー夫妻に思いを馳せてみては。

     

    白狼伝説に伝わる三朝温泉発祥の地 株湯と河原風呂

     

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    続いてご案内するのは「三朝温泉発祥の地」、株湯です。
    高濃度のラジウム温泉で有名な三朝温泉ですが、その歴史は「白狼伝説」の株湯にはじまります。
    平安時代、源義朝の家来である大久保左馬之祐が、霊場 三徳山に参拝される際に老いた白い狼を見つけました。
    左馬之祐は弓でその狼を射止めようとしますが、「老いた獣は神仏の化身ともいう、殺すのはよくない」と思いとどまるのです。
    その夜、妙見大菩薩が左馬之祐の夢枕に現れます。
    狼を殺さなかった左馬之祐の慈悲に礼をと、湯が出る大木の場所を教えました。
    それが「株湯」です。

     

     

    現在は公共温泉として地元の方々や観光客でにぎわっています。
    源泉の温度は51.0℃とかなり高めなので、かならずかけ湯をしてから入りましょう。

     

     

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    外には株風の飲泉場と足湯があります。
    どちらも無料で利用でき、飲泉場では大きな容器に入れて運んでいく方もいらっしゃるそうです。
    ラジウム温泉を飲むことで、「胃粘膜の血液量が増加する」という湯船につかるだけでは手に入らない効果を得ることができます。

     

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    そして発祥の地と合わせて訪ねたいのが、三朝温泉の象徴とも言われる「河原風呂」。
    公共の混浴露天風呂なのですが、その開放感は他の露天風呂とは比べ物になりません。
    川沿いにありほとんど仕切りがなく、心地よい風に吹かれながら景色も温泉も楽しめます。
    すこし恥ずかしいという方は、河原風呂には足湯も併設しているので、そちらをご利用くださいね。

     

     

     

    薬師堂と三朝神社でさらなる健康祈願を

     

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    三朝温泉街の中心に位置する薬師堂。
    三徳山から、三朝温泉の守り神として勧請されたのがはじまりと伝えられています。
    病気を治す仏様、薬師如来をお祀りしており、三朝温泉の効能を頼りにきた入湯客がお参りにきていたそうです。
    いまも「湯薬師さん」と呼ばれ、地元の方々から観光客まで、三朝温泉を訪れる人々に親しまれています。
    三朝温泉に入った後は、薬師堂にお祈りして、さらなる健康を目指してみては。

     

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    薬師堂の近くには足湯もあるので、三朝町を散策して歩き疲れたときにもオススメですよ。

     

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    最後に訪ねたのは、薬師堂から南東に約200mのところにある三朝神社です。
    1921年に3つの神社が合併して建てられました。
    大きな木々が立ち並ぶ緑豊かな空間で、神聖な空気が漂います。

     

     

     

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    三朝神社の特徴は、三朝温泉ならではの「手水舎」。
    なんと手水舎の水がラジウム温泉なのです。
    「神の湯」と言われ、手や口と一緒に体内も清めることができます。
    健康を祈りつつ飲むとより効果があるとも。
    他にはない温泉の手水舎で、ぜひ体験してみてください。

     

     

     

     

     

    三朝温泉が「身体にいい」理由、お分かりいただけましたでしょうか。
    入るだけではなく、「飲む」効能もあるのは驚きです。
    それぞれ湯加減や雰囲気も違うので、のんびり湯めぐりをされてはどうでしょう。

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