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鯖を運んだ鯖街道「熊川宿」かつての宿場町の遺構を巡る旅

  • 福井県三方上中郡若狭町にある熊川宿(くまがわじゅく) 。現在は重要伝統的建造物群保存地区に指定されているこのまちは、かつて福井の湾岸と京都を結ぶ鯖街道の最大の宿場町として栄えました。

    今も尚その当時の面影が色濃く残り穏やかな空気感とともに楽しめます。

    今回はそんな熊川宿の楽しみ方をご紹介!

     

     

    熊川宿とは? 宿場町の面影が残る統一された街並みを歩いて楽しもう

     

     

    〈写真01_kumagawajuku_道の駅若狭熊川宿〉

     

    JR湖西線近江今津駅からバスで揺られること約30分。

    新幹線福井駅、また福井空港からは車で約1時間半。

    降り立ったのは「鯖街道熊川宿」です。

     

    〈写真02_kumagawajuku_街並み〉

     

    江戸時代から若狭街道の宿場町として栄えたこのまちは、若狭湾で水揚げされた鯖を京都へ運んだことから「鯖街道」(さばかいどう)とも呼ばれています。

    熊川宿は、交通軍事の要所として、1589年若狭の領主浅野長政が諸役免除を行ったことをきっかけに発展しました。

    江戸時代には200戸を超える大きな宿場町となり、1700年代には一晩に400名もの宿泊客がいたといわれています。

    そんな歴史的背景があり、その当時の建物が生活の中に残っていることから国の重要伝統的建造物群保存地区や日本風景街道に指定されています。

    そんな街並みそのものが最大の魅力である ここ熊川宿を一緒に歩きましょう。

     

    〈写真03_kumagawajuku_熊川宿の全体図〉

     

    熊川宿は西から下ノ町・中ノ町・上ノ町に分かれ、宿場全体に流れる前川に沿い全長約1kmに渡って街並みが続いています。

    街道からは4つの寺社が続いており ひとつひとつから当時の暮らしや歴史的背景が感じられます。

     

    〈写真04_kumagawajuku_平入建物と妻入建物〉

     

    〈写真05_kumagawajuku_平入建物と妻入建物2〉

     

    立ち並ぶ家屋をよく見ると、街道に対し棟が平行に立ち、軒が真っすぐ見える平入建物と棟が垂直に立ち、屋根の三角部分が見える妻入建物が混在しています。

    このように 立ち並ぶ家屋は形式の異なるものが混在しながらも、統一した景観を持っていることが大きな特徴です。

    街並み全体としても ひとつひとつの建物としてもじっくり見たくなることが魅力の一つです。

     

     

    通り過ぎないで! 当時の生活を垣間見る 熊川宿の見どころはこちら

     

    熊川宿はまち全体で統一した美しさがあることが特徴ですが、それだけではありません。

    ゆっくりと熊野宿を歩けば、見逃してしまいそうな街の隅々にも当時の面影が感じられるスポットに出会うことができます。

    それでは一緒に歩いていきましょう。

     

    〈写真06_kumagawajuku_子守り岩〉

     

    まず一つ目は上ノ町にある子守り岩(こもりいわ)です。

    子供たちがこの大きな岩では遊んでも怪我をしなかったことから子守り岩と呼ばれています。

     

    〈写真07_kumagawajuku_長屋道〉

     

    二つ目は町の中央、中ノ町にある長屋道(ながやみち)です。

    この路地の奥に 町奉行手配下の足軽たちが住む、足軽長屋 があったことに由来してこう呼ばれています。

     

    〈写真08_kumagawajuku_御蔵道〉

     

    そして長屋道の一本隣にある御蔵道(おくらみち)。

    こちらは松木神社境内の蔵屋敷へ米を運ぶ際に使用されたことに由来しています。

    どちらも板塀や石垣 季節の草花が調和しあい、情緒ある路地なのが特徴です。

     

    〈写真09_kumagawajuku_孝子与七の碑〉

     

    〈写真10_kumagawajuku_孝子与七の碑の説明〉

     

    最後は下ノ町にある孝子与七の碑(こうしよしちのひ)です。

    与七とその妻は、自らは貧しい生活をしながらも 両親にごちそうを食べさせ孝行したとして小浜藩主にも褒められたといわれています。

    どれも油断をしてしまうと気付かない、だけれどもとても絵になり、 当時の暮らしに由来して命名され、今も語り継がれているスポットです。

    道の駅などで手に入るパンフレット片手にぜひ巡ってみてくださいね。

     

     

    鯖街道熊川宿の暮らしを今もなお見守り続ける 寺社を巡りましょう

     

     

    〈写真11_kumagawajuku_権現神社〉

    続いて道の駅若狭熊川宿から歩いて約3分の所、上ノ町にある権現神社(ごげんじんじゃ)を訪ねました。

    権現神社はかつて 道の表面に白い石が出ると水害や火災が起きたことからその白い石をお祀りしたことに由来しています。

    熊川宿のひとびとや景観を守ってきた神社といえるでしょう。

     

    〈写真12_kumagawajuku_白石神社の看板〉

     

    〈写真13_kumagawajuku_白石神社の鳥居〉

     

    つづいては街道のちょうど中央付近 中ノ町にある白石神社(しらいしじんじゃ)。

     

    〈写真14_kumagawajuku_白石神社の中〉

     

    熊川地区の氏神であり 現在も毎年5月3日に祭礼が行われています。

    子どもたちが鉦を鳴らして祭り囃子が奉納され、子ども囃子を載せた山車が熊川区内を巡行します。

     

    〈写真15_kumagawajuku_西山稲荷神社〉

     

    〈写真16_kumagawajuku_西山稲荷神社2〉

     

    そして道の駅若狭熊川宿から約15分のところにあり、下ノ町にひっそりとたたずむのが西山稲荷神社(にしやまいなりじんじゃ)です。

    こちらは草木が生い茂る向こうに見える赤い鳥居が印象的です。

    江戸時代に創建され 商売繁盛の神様として知られています。

    どの神社も街道沿いにあり、今に至るまで若狭町を見守り続けています。

    立ち寄って歴史の風を肌で感じてみてくださいね。

     

     

    パワースポット! 大木の中に鎮座する観音様 「銀杏観音」へ

     

    続いて道の駅若狭熊川宿から車で13分の所にあるお寺を訪ねました。

     

    〈写真17_kumagawajuku_銀杏観音〉

     

    熊川宿から少し足を延ばしてでもぜひ立ち寄ってほしいのが「銀杏観音」(ぎんなんかんのん)です。

    イチョウの木に彫られた観音様は、パワースポットとしても人気を集めています。

    実際にお顔を拝見すると、固く目を閉じている様子から人々の幸せを強く願っているように感じられました。

     

    〈写真18_kumagawajuku_諦応寺〉

     

    〈写真19_kumagawajuku_諦応寺〉

     

    銀杏観音があるのは禅寺城谷山諦応寺(たいおうじ)。

    諦応寺は室町時代末期に創建され、銀杏観音が人気を博しているだけでなく、県の文化財に指定された平安前期の作となる薬師如来立像が収蔵庫に安置されていることでも知られています。

     

    〈写真20_kumagawajuku_たくさんのお地蔵さまが並ぶ〉

     

    参道までの山にはお地蔵様が並びその姿もまた愛らしいですね。

     

    〈写真21_kumagawajuku_銀杏観音2〉

     

    銀杏観音は江戸時代末期 、近隣でよくない事ばかり起きる現状に危機感を持った和尚が、人々の救済を願って樹齢300年を超える大木の幹に 観音像を彫り込んだとされています。

    当時は幹の半分に彫り込まれた観音像が、月日が経過し 幹が観音像に差す後光のように成長したことなどから

    願いをかなえてくれる パワースポットとしてよく知られています。

    パワースポットであることから、こちらの写真を待ち受け画面などに設定すれば幸運になれるかもしれません。

    所在地:福井県三方上中郡若狭町安賀里

     

     

    ゆったりと街並みを歩き、ひとつひとつの建物や標識を眺めるだけですっと心が穏やかな気持ちになります。

    ご家族ご夫婦などと会話を交わしながら、静かに流れる時間を楽しめることが魅力の一つです。

    どこをとっても絵になるまち、ぜひカメラを片手にお散歩してみてくださいね。