第三九番札赤亀山 寺山院【延光寺】四国八十八箇所霊場を徹底解説
高野山や東寺を賜ったことで有名な空海。四国の各地で修行を行いました。その足跡である四国八十八箇所霊場のひとつ延光寺。
四国お遍路の高知県西南端、土佐(高知県)の遍路を締めくくる札所「修行の道場」最後の霊場のお寺にあたります。竜宮城の縁起もあり親しみやすいお寺でもありました。延光寺をご紹介します。
延光寺のご由緒や山号の由来とは?延光寺の歴史をご紹介!
神亀元年(724年)に行基が聖武天皇(在位724〜49)の勅命を受けて、安産、厄除けを祈願して薬師如来像を彫造、これを本尊として本坊のほか十二坊を建立したのが開創とされています。
当時は、薬師如来の瑞相にちなんみ亀鶴山と称し、院号は施薬院、寺名を宝光寺と呼ばれていました。
空海がこの寺を訪ねたのは延暦年間(782〜805)、795年のことと伝わります。
当時21歳の頃、桓武天皇(在位781〜806)の勅願所として再興、日光・月光菩薩像を安置して、七堂伽藍を整えました。
このときに空海が錫杖で地面を突いて湧き出た霊水が、今日に伝わる「眼洗い井戸」!
本殿の隣にあります。
ちなみに現在のお寺の名称は赤亀山 寺山院 延光寺となっています。
この名前に改められた歴史をご紹介します。
平安中期、延喜11年(911)のころ、竜宮に棲んでいた赤亀が背中に銅の梵鐘を背負ってこの地にたどり着きました。
僧たちは早速この梵鐘をお寺に奉納して、これまでの山号、寺名を「赤亀山延光寺」に改めました。
この梵鐘には、「延喜十一年正月…」の銘が刻まれ、総高33.6㎝、口径23㎝の小柄な鐘で、国内でも7番目の古さを誇り、国の重要文化財に指定されています。
※諸説あり
延光寺の見どころ3つを徹底解説!
延光寺の見どころをご紹介します。
まず感動したのは山門。彫刻がしっかりと残っており、麒麟のような動物も見つけられました。
大河ドラマ「麒麟がくる」を毎回しっかり見ているので嬉しくなりました。
まず山門をくぐってすぐ右手にある赤い亀。
山号が赤亀山で由緒ということもあり梵鐘をかついでいます。ちなみに鐘は実物大だそうですよ。
山門横にあるこちらの鐘楼。
お遍路に訪れた際はまず鐘を打ちます。ちなみに「必ず参拝前」。
忘れてしまった場合は打たないようにしましょう。ちなみに鐘を打ってはいけないお寺もあるようなので事前に確認が必要ですね。
さて、鐘を打って奥へ進むと、本殿へと向かいます。
なんといっても驚いたのは本殿の鬼瓦!なんとも鬼瓦が立派です!
ちなみに延光寺は通称をカメ寺と呼ばれているそうですよ。
境内には、カメをかたどった岩や植木が全部で7つも置かれているのだとか!
お時間がある方はぜひ、”境内の7つガメ”を探して境内を散策してみはいかがでしょうか。
ご詠歌:南無薬師諸病悉除の願こめて 詣る我が身を 助けましませ
延光寺のご詠歌を紹介します。
ご詠歌:南無薬師諸 病悉除(しつじょ)の願こめて 詣る我が身を 助けましませ
薬師如来は病気を平癒し、身心の健康を守ってくださる現世利益の仏様。
さらに空海によって湧き出た霊水でご利益をいただける「眼洗い井戸」が今も残ります。
願いを持って詣る人々の想いを詠った歌ですね。
お寺を出る際に山門の隣に日本遺産の石碑がありました。
四国お遍路は、日本遺産に登録されています。
「日本遺産「四国遍路」~回遊型巡礼路と独自の巡礼文化~」
空海ゆかりの札所を巡る四国遍路は、阿波・土佐・伊予・讃岐の四国を全周する全長1400キロにも及び日本の代表するる壮大な回遊型巡礼路。
札所への巡礼が1200年を超えて継承されており、今なお人々により継続的に行われています。
四国に来て驚いたのは実際に多くのお遍路さんが歩いて回っていること。
四国の方はお遍路さんを見かけたら優しく声をかけていました。素敵な文化が今も残っているのですね。
ちなみに駐車場もすぐ近くにあるので車のアクセスも便利です。
四国八十八箇所霊場、延光寺をご紹介しましたが、いかがでしたか。
境内はあたたかい木漏れ日が差し込み、暖かい気持ちになりました。また古い山門や赤亀など魅力は盛りだくさん!
ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。